2回目の体外受精後の血液検査で陽性反応が出ました。
1週間後に心拍が確認できると、母子手帳をもらえるようになり、晴れて「妊娠の確定」となります。
ただし妊娠初期は流産と隣り合わせであることは有名な話です。
今回は「早期流産」から「後期流産」まで、その種類・症状・時期・確率・原因・対処法を調べ、流産を防ぐ方法はあるのか、危険な兆候はないのかを調べてまとめました。
妊娠初期で流産のリスクが心配なプレママの参考になればと思います!
流産とは? 流産の時期と確率
妊娠後、妊娠22wより前に妊娠が終わることをすべて「流産」といいます。
なぜ妊娠22wかというと、現代医学で赤ちゃんを助けられると考えるギリギリの週数だからです。
妊娠22wを超えると、「早産」と呼ばれるようになります。
日本の場合は、人工妊娠中絶手術が受けられる時期(妊娠21w6d)の境界線にもなっています。
早産についてはこちら。
流産と死産の違い
医学的な定義として、流産は「妊娠週数が22週未満」の場合をいい、死産はそれ以降の「胎外での生存が期待される時期」に「胎児が死亡して娩出される」ことを指します。
それとは別に、厚生労働省は「妊娠12週以降の死亡した胎児の出産」を法律上の定義として、死産として扱います。
そのため、妊娠4ヶ月めには人工中絶であっても「死亡届」を市区町村に届ける決まりになっています。
(墓地埋葬法により、埋葬か火葬する必要があります)
つまり、法律上の死産と医学上の死産の期間にはずれがあることになります。
自然流産の時期
人工的な流産はいわゆる「人工中絶」のことを指します。
それに対し、自然流産は人工流産以外の全ての症例が当てはまります。
- 早期流産
妊娠12w未満までに流産が起きた場合
- 後期流産
妊娠12~22wまでに流産が起きた場合
最初の妊娠判定は、月経開始予定日を1週間ほど過ぎたころ、医療機関の尿検査や市販の妊娠検査キットで判定ができるようになります。
不妊治療の場合は、胚移植をした7~10日目に血液検査をすることが多いと思います(尿検査より精度が高いため)。
妊娠判定の様子はこちら。
胎嚢と心拍の確認で妊娠確定
尿や血液で妊娠検査が陽性になると、その後、超音波検査で妊娠5w前には胎嚢、妊娠5w後半~妊娠7w前までに心拍を確認できて、初めて妊娠が「確定」します。
妊娠週数における胎児の状態
- 妊娠4w:妊娠判定が陽性
- 妊娠5w:胎嚢(胎児の部屋)が子宮内に見られる
- 妊娠6w:卵黄嚢(胎児の付属物)が確認できる
- 妊娠7w:心拍(赤ちゃんの心臓の動き)が胎嚢内に見られる
私の場合は、10月後半。
不妊治療の全体で31回めの通院の時になります(オール自費の 15,100円) 。
体外受精のため、超初期の妊娠4wで陽性がわかって1週間。
翌週の妊娠5w後半の超音波検査で、心拍の確認が取れました。
自然流産の割合
病院で妊娠判定を行ったうちの約15%前後が流産になります。
ただし妊娠に気がつかぬまま、生理と勘違いして終わるケースも考えられ、妊娠したことのある女性の約40%が流産を経験しているとの報告もあるそうです。
自然流産が多い時期
妊娠12w未満の「早期流産」が流産全体の約80%を占めます。
妊娠12wまでの切迫流産に有効な手段や薬剤は「ない」と考えられており、経過観察で対処することとなります。
流産の症状(出血・腹痛など)がみられるが、胎児が無事で妊娠を継続している状態のこと。
一般的には、少量の黒っぽい出血だけで腹痛がなければ、完全に流産となる危険性は低め。
赤い鮮血が継続したり、強い腹痛がみられたりする場合に、危険性が高いとされる。
自然流産の確率
前述の通り、自然妊娠では15%前後といわれています。
体外受精のように、「早期に妊娠反応を調べて、妊娠反応が陽性になるのを確認する割合が多い」場合は、統計上の確率は上がって、約20〜30%とになります。
自然妊娠のように「気がつかないで終わっていた」ということなく、全ての可能性を拾い上げていることも流産の割合が多くでる一因と考えられます。
加齢による自然流産の割合
流産の割合が上がる理由としては、卵子や精子のポテンシャル、男女の年齢など複数の因子が考えられます。
自然妊娠であっても、年齢が上がることに比例して流産率は高くなり、40代前半では50%を超えます。
加齢とともに「胎児の染色体異常が起こりやすい」ことが、早期流産の主な原因とされます。
年齢別の妊娠率についてはこちら。
流産の予兆、前兆
流産の場合、まずどのような症状がみられるのでしょうか?
流産の兆候
- 鮮紅色~暗赤色の少量の性器出血
- はっきりと分かるほどの大量の出血
- 強い張り、子宮収縮
- 下腹部痛
- 腰痛
- 痙攣性の痛み
早期流産
妊娠の初期の流産では、少量の出血のみの症状であることが多いそうです。
生理と勘違いして、流産であることに気がつかないことが多いのも、このためです。
後期流産
- 大量出血
- 血液に粘液や血のかたまり
- 痙攣性の痛み
- 痛みが治まらずに、徐々に激しくなる
- 子宮が強く収縮し、胎児と胎盤が排出される
このように、後期流産になると症状が強く出る傾向があります。
病院に連絡するタイミングについてはこちら。
感染症の症状が出ることも
子宮内の死んだ組織に、細菌の感染が起きることがあります。
妊娠・流産に気がつく前に、感染症の症状が先に出るケースも考えられます。
妊婦がせん妄を起こしたり、血圧が危険なレベルまで下がったりすることがある。
発熱、悪寒、心拍数の上昇、重度の腹痛、腹膜炎 などの骨盤内炎症性疾患を起こす。
敗血症性ショック
低体温症、低血圧、乏尿、呼吸窮迫 など。
兆候がない場合もある
胎児が子宮内で死亡していても流産の症状が起こらないケースもあります。
このような場合は、お腹が大きくならず、胎動も感じる事はありません。
流産の症状と種類
流産にはどのような分類があるのでしょうか。
化学的流産
妊娠反応は出たものの、超音波で妊娠が確認できる前に流産してしまった状態。
妊娠反応を行わなければ妊娠とわからず、月経と考えて過ごしてしまっていることが多いが、不妊治療を受けているが故に知ってしまう場合もあります。
進行流産
子宮が収縮を始め、流産が進行している状態。
一度進行してしまうと止める方法がなく、出血がはじまり子宮内容物が外に出てきてしまいます。
いわゆる流産と呼ばれる症状で「完全流産」「不全流産」に分けられます。
完全流産
自然に子宮内にある胎児や胎嚢が完全に娩出された状態。
出血、腹痛等は治まってきている場合が多く、経過観察(または子宮収縮剤投与を追加)で対処できることが多いそうです。
不全流産
排出が始まっているが、子宮内の胎児や胎嚢が完全に娩出されずに一部残存している状態。
出血・腹痛が続いていることが多く、子宮内容除去手術を行う場合が多いようです。
稽留流産
子宮内で胎児が死亡し、そのままとどまっている状態。
自覚症状がなく、出血・腹痛などの症状がないのが特徴です。
婦人科診察で初めて確認され、入院して子宮内容除去手術を行うのが原則ですが、外来で経過を見て自然排出を期待するケースもあります。
感染性流産
細菌などによる感染を伴った流産のこと。
早期流産の15%、後期流産の65%に感染が関与していると言われ、後期流産の原因となることが多いといわれます。
母体死亡のリスクが上昇する危険な症状です。
- 常在菌などの細菌が侵入
- 羊膜感染(絨毛膜羊膜炎:胎囊と子宮筋層の間・脱落膜と絨毛膜との間に炎症)
- 羊水感染
- 子宮収縮、卵膜脆弱化、破水、子宮頸管短縮 などを引き起こす
頻度は4~22%と報告に差があります。
早産となる症例の約30%は絨毛膜羊膜炎を合併していると言われています。
流産の原因
流産の原因は極めて多岐にわたり、原因不明のことも多くあります。
大きく分けると、胎児側の原因・母体側の原因・その他の原因の3つになります。
流産の理由① 胎児側の問題
早期流産のほとんどは受精卵の染色体異常や、胎児の遺伝性疾患などの理由で起こります。
- 子宮内死亡
- 受精・着床の異常
- 胞状奇胎
- 奇形
- 染色体異常
もっとも多いのは、受精卵の染色体異常といわれ、たまたま異常を持つ精子や卵子が受精してしまったことで発生します。
流産の原因の8割ぐらいは、この染色体異常とも言われています。
つまり、受精の瞬間に「流産の運命」が決まることがほとんどなのです。
流産の原因になる染色体異常とは
染色体異常は、受精、卵割の段階で常に起こっています。
ヒトの卵が成長する過程で、非常に高確率に異常が発生する働きがあり、数個~10個に個に1個ほどの割合でしか「正常な卵」は成長しないと言われています。
卵や精子そのものに異常がなくても、成長する途中の段階で異常が出るのです。
それだけ「人」が生まれるというのは奇跡の連続で、全てにおいて非常にうまくいった時だけともいえます。
卵のグレードについてはこちら。
体外受精の場合
体外受精で発育の悪い卵の多くは染色体異常が原因です。
受精したとしても、妊娠できる卵は1~2割。
凍結胚や胚移植に耐えうるだけの受精卵が出来ないのは、胚の成長過程で「染色体異常による自然淘汰」が起こったためです。
そして染色体異常の原因は「卵の加齢」と言われています。
加齢によるリスクについてはこちら。
流産の理由② 母体側の問題
流産の残りの15~20%は、後期流産にあたる妊娠13~22wに起こります。
後期になると、母体側の原因の場合が多くなります。
しかし流産の原因自体が特定できないことも。
生殖器の構造的異常
- 子宮筋腫(子宮壁にできる良性の腫瘍で、筋肉が異常増殖したもの)
- 瘢痕組織(手術跡などの創傷が肉芽組織を経て盛り上がるように治癒した状態)
- 重複子宮(子宮が2つある場合)
- 子宮頸管無力症(原因不明で子宮頸管が緩くなり、子宮口が開大してしまう) など
私はこの「子宮頸管無力症」により、切迫流産と診断されました。
子宮頸管無力症についてはこちら。
感染症
- サイトメガロウイルス
- 風疹
- おたふくかぜ
- 麻疹
- りんご病
- トキソプラズマ
- 肝炎(B型・C型) など
膣炎についてはこちら。
疾患
甲状腺機能低下症
糖尿病
セリアック病
慢性腎臓病
全身性エリテマトーデス
高血圧 などの病気
(適切に治療されておらず、妊娠中にコントロールされていない場合)
糖尿病についてはこちら。
生活習慣
- コカインなどの薬物使用
- 飲酒
- 喫煙 など
歯肉の炎症も早産を招くとされています。
重度の怪我
胎盤早期剥離を起こすほどの強い腹部外傷など。
性器出血や激しい腹痛が起こり、ショック状態を起こすほどの怪我。
子宮壁の正常な位置に付着しているはずの胎盤が何らかの原因で剥がれてしまうこと。
流産の理由③ その他の問題
上記のような明確な理由がない場合。
流産の原因は、はっきりとは分からない場合が多いといわれています。
流産を防ぐ方法
妊娠判定の後、ママが気を付ける事で流産は防げるのでしょうか。
流産や早産の一因を予防
前述の通り、早期流産の15%、後期流産の65%に感染が関与していると言われています。
そのため膣炎や子宮感染を防ぐことで、後期流産の確率を減らせる可能性があります。
魚油に含まれるn-3系脂肪酸の摂取によって、流産・早産・死産・新生児死亡などの一因となる子宮感染症を予防できるかもしれないという。
(中略)早産の原因の10~30%は、ごく一般的な口内細菌であるフソバクテリウム・ヌクレアタム(F. ヌクレアタム)が子宮に感染してしまうこととされている。
(中略)ここで、妊婦が安全に使用できることを条件に彼らが検討したのは、n-3系脂肪酸だった。n-3系脂肪酸は、慢性炎症性疾患の炎症を軽減するために広く用いられているほか、胎児の発育に良いとして、摂取が推奨されていたためだ。
結果、n-3系脂肪酸は細胞実験において、F. ヌクレアタムが誘発する内皮炎症を抑制することがわかった。またマウスを用いた実験では、胎盤の炎症とF. ヌクレアタムの増殖を抑制し、早産、流産、死産、新生児死亡を減らすことが示されたという。
子宮感染症のリスクを減らす!n-3系脂肪酸サプリ
安心して食べることができます。
2歳の子供も噛んで食べています。リピート決定。
妊娠中は水銀などが心配ですが、こちらは安心の日本製で、「国産カタクチイワシ」を原材料としています。
カタクチイワシは食物連鎖では末端の寿命が短い一年魚なので、水銀等の重金属やダイオキシンの汚染等、蓄積毒物がほとんどない魚と言えます。
早期流産は胎児側の問題が大きいですが、後期流産は母体側の問題のひとつ「感染症」を防ぐことで、リスクを減らせる可能性があります!
病院の先生にも聞いたのですが、特に切迫早産の原因の多くは膣炎なのだそうです。
妊娠継続に効果のあるビタミンDなども含まれているので、流産の時期のみではなく全妊娠期間中にピッタリの商品になっています^^
流産の原因に運動やストレスは関係してる?
妊娠初期に母体が無理に動いたとか、母体の行為「だけ」が原因で流産が起こることは、ほとんどないと言われています。
- 突然の精神的ショック(悪い知らせを受けたなど)
- 軽い怪我(滑る、転倒するなど)
- 仕事
- 日常的な運動
- 重いものを持った
- 下痢や便秘 など
上記の例をはじめとする母体の行動と流産との因果関係はないとされています。
逆にいえば、順調な妊娠を「激しい運動」や「過度のストレス」のみで、「流産させる」こともできません。
子宮は、実はとても優秀な器官で、多少のことでは受精卵や胎児に影響を及ぼすことの無いようにできているのです。
少量の出血があっても、安静にしていなくても、正常で元気な受精卵や胎児だった場合は、普通に過ごしていれば十分育つと言われています。
胚移植後の生活についてはこちら。
生理のような出血、血の塊が出た
化学流産などで胎嚢が確認される前に、子宮内膜が剥がれて、血と一緒に体外に出てくることがあります。
通常の流産が起こった場合は、少量であっても出血が始まってしまうと止めることはできません。
一般的に、流産は先に胎児の発育が止まってから、その後に胎嚢を出そうとして出血がおきるからです。
出血は最後の症状なので、流産がすでに始まってしまった場合、私たちの力でそれを止めることはできないのです。
進行流産の場合
進行流産の場合、出てきた胎嚢を回収・持参して速やかに医療機関を受診します。
胎嚢がうまく排出しきていなかったり、出血が続いている場合は、重症の貧血や感染症の危険があるので、必ず診察を受けましょう。
医療機関では胎嚢に異常がないかを調べ、子宮内に胎嚢が残っていないか検査します。
もし子宮内部に遺残物があれば、「不全流産」として「稽留流産」と同様の処置を行います。
胎嚢が自然に排出されるのを待ち続ける方法。
いつ胎嚢が排出されるかわからないので、日常生活に支障をきたすケースも。
手術療法
医療機関で手術をして胎嚢を排出する方法。
(健康保険適用対象のため、手術費用は3割負担の1万円前後)
自然淘汰の場合は防ぐことはできない
重い異常を持った受精卵や胎芽の場合は、生き延びることができない運命であるので「防ぐ術がない」とも言えます。
染色体異常が起こる理由は明らかではなく、その場合は残念ですが、すぐに医療機関を受診したとしても対処法はないとのこと。。。
厳しい現実ですが、人類が生き残るうえで「異常な遺伝子」は流産で自然淘汰される仕組みになっているのですね。。。
流産の対処法
子宮内に血腫(血液の塊)があるような切迫流産で、胎児が無事である場合、安静が効果的とする研究報告もあります。
後期流産の時期に「切迫流産」の診断が出た場合は、以下のような指示が出ることが多くなっています。
- 激しい運動を避ける
- 横になって安静に過ごす
- 子宮収縮がある場合は、ウテメリンなどの処方
- 管理入院
しかしこうすることで「確実に」流産を防げるという科学的根拠はないそうです。
結局は胎児の生命力にかかっているので、胎児が「元気であれば育つ」ということですね。
ウテメリンについてはこちら。
妊娠判定前後、妊娠初期の出血の対処法
出血があるからといって、流産とは限りません。
妊娠初期にはいろいろな理由で出血がよくあって、妊婦のおよそ20~30%が妊娠20週までに少なくとも1回は多少の出血を経験するそうです。
ただし、腹痛がひどい時には「子宮外妊娠」の可能性があるので、夜間などの診察時間外であっても受診した方がいいようです。
子宮の中でなく、卵管や卵巣のまわりに妊娠すること。
子宮頸管についてはこちら。
治療を行っている場合
腔坐薬が原因による出血
ホルモン治療などの膣剤を入れる際に、妊娠により子宮の血流が上がっていると出血することがあります。
ただし必要な分が処方されているので、自己判断で中止することはやめましょう。
出血が多い場合は、担当医に相談してください。
ホルモン補充についてはこちら。
低用量アスピリンの効果による出血
低用量アスピリン(バイアスピリン・バファリン81など)の服用がある場合は、医師に相談しましょう。
抗血小板作用(血液をサラサラにする作用)があるため、出血が止まりにくくなります。
体外受精と流産の関係
体外受精をした場合、妊娠判定から毎週、妊娠経過を観察していきます。
10月末、妊娠6wの診察は、オール自費で 11,020円(全体で32回目の通院)。
胎児の発育をチェックし、流産などの兆候がないか診断していきます。
この段階では「異常なし」で、ほっと胸をなでおろしました。
診察台に乗るのが毎回怖くて、心の準備をしてからモニターを見ていましたね。。。
体外受精のリスク
考えられるリスクの原因
生殖補助医療(ART)を行う場合、既に以下のリスクを持っている割合が高いと考えられます。
- 多胎による妊娠・出産に起因するもの
- 女性の年齢、男性の不妊因子などの生物学的背景に起因するもの
このようなことが因子となって、妊娠中の母体や新生児に何らかの問題が生じる可能性があります。
母体の問題
自然妊娠での多胎妊娠の確率は約1%に対し、生殖補助医療(ART)を行うと、11〜13%と多胎妊娠率が高くなります。
そのことで多胎妊娠に起因するリスクも上がります。
- 妊娠高血圧症のリスク
- 前置胎盤のリスク(約3倍)
- 早産のリスク(約2倍)
- 死産リスク(2.6倍)
また、生殖補助医療(ART)での流産の発生率は20〜30%と、自然妊娠(約15%)に比べて高くなります。
これは流産の母体側の因子である高齢妊娠(加齢)、甲状腺疾患、多嚢性卵巣症候群、子宮奇形などの生物学的背景が、生殖補助医療(ART)を行う女性に多いことに関係しています。
胎児の問題
多胎妊娠や高齢などの生物学的背景は、胎児のリスクも上昇させます。
低体重児のリスク
- 出生体重が2,500g以下(1.7倍)
- 1,000g以下(約3倍)
- 同じ週数で生まれても新生児が小さくなる(1.5倍)
先天異常や後遺症のリスク
- 大きな先天的異常の可能性が1.3倍に増える
- 脳性麻痺のリスクも高まる
- 加齢による染色体異常(ダウン症)の確率
- 出生児の形態異常発生率
- 後歳児の先天異常の発生率
流産・早産の割合が多いため、上記のようなリスクの確率が上がります。
- 多胎や生物学的背景を考慮すると、生殖補助医療(ART)の技術そのものの影響は少ないとされている
- 正期産した場合、神経発達は自然妊娠児と変わらないか、より健康である
- 家族関係や社会的問題に関連する懸念はない
そもそも体外受精を選択するカップルには「不妊」の因子が男性側・女性側にある場合が多く、また多胎率が高いことで、それを起因にした障害が起こる可能性がもともと高いと言えます。
不妊治療の影響については詳しくはこちらにまとめてあります。
流産について思うこと
妊娠初期の流産は母体の仕事や運動などが原因で起こることは、ほとんどないと言って良いようです。
だからこそ妊娠初期に、少量の出血や軽度の腹痛があっても、あえて救急外来を受診する必要はなく、翌日あるいは予定された健診の受診で充分、と言われてしまうこともあるみたいですね(;´Д`)
- 心拍を確認できると化学的流産の確率は下がる
- 特に妊娠10wまではリスクが高い
- 妊娠12wを過ぎれば自然流産の確率もぐんと下がる
- 妊娠14w頃から安定してくる
でも逆に言えば、それ以前は努力でどうこうできることではなく、偶然出会ってしまった卵子と精子の運命で。。。
いわば未来の決まっているクジ引きのようなもの。
それってすごく怖くないですか?
せっかく授かった生命が、見えざる手にいつ連れて行かれてしまうかわからない状況なんて、考えるだけでゾッとします。
不妊治療の末の双子妊娠で不安が消せない
これがもっと若くて自然妊娠だったら、もしかしたらこんなに悩むことはなかったのかもしれません。
私の場合は、ギリギリ33歳の採卵で34歳に移植して、精子や卵子のグレードがピカイチに良い訳でもなく。。。
しかもハイリスクの双子妊娠!
そして体外受精で着床したという「引け目」のようなものがあったので、とにかく不安で仕方がありませんでした(´;ω;`)
常にスマホやtabで、 妊娠出産のこと・高齢出産や体外受精のことを調べてばかりいました。
当然、良いことも書いてあれば、悪いことも書いてあって。
同じような境遇の体験談(高齢・双子・体外受精 で 流産・早産になった等)を読んで、何回泣きそうになったか。。。
ゴールの見えない靄の中にいるようで、突然、涙がダーッと溢れてくることもしばしば。
今思えば、マイナートラブルも始まって、ホルモンの変化で情緒不安定なっていたんでしょうね(;´・ω・)
流産したなんて人に言いたくない。
そんな気持ちもあって、主人と妊娠12wを過ぎるまでは親にも報告しないと決めました。
一週間がとてつもなく長く長く感じる、鬱々とした2ヶ月間の始まりです。。。
まとめ
- 流産の80%以上は受精卵か胎児の問題で、自然淘汰のために防ぐことはできない
- 考えられる母体因子で防げるもの(感染症や生活習慣)を知ること
- 行動制限をしたからと言って流産率が下がるわけではないので、すべてを受け入れらるように大きく構えよう
というおはなしでした。
そうは言っても不安は消せませんよね!
わかります!(;_;)
でも、まずは流産について正しく知ることが大事なんだと思います。
ぜひパートナーとも共有して、支えてもらってください。
一緒に頑張りましょう!