採卵して、受精したグレード可の胚を5個すべて凍結胚にした私。

採卵数が多くてOHSSの可能性があったので、採卵周期の胚移植は見送っています。

ひと段落したこともあり、胚培養士さんから今までの経過と今後の方針などの一通り説明を受けました。

今後の凍結胚移植のスケジュールの確認、自然周期法・卵巣刺激周期法の説明からのホルモン補充周期法の決定アシステッドハッチング孵化補助法)の説明をうけました。

この日に受けた上記の内容を分かりやすくまとめたので参考にしてください!

Sponsored Links

凍結胚移植までのスケジュール

7月29日。
全体で22回目、主人は2回めの来院です。
ちなみにこの日に凍結胚の費用(64,800円)の支払いをしました。


本日は、採卵後の子宮休息期間中に、主人と胚培養士さんの説明を聞くことになっています。

採卵〜受精〜6日間の経過〜凍結した胚のグレード~凍結胚の説明を一通り終えた後は、凍結胚の移植までの流れについての説明がありました。

凍結胚移植のスケジュールが書かれた病院の資料の写真になります。

凍結融解胚移植では子宮内膜の周期に合わせて行われ、移植周期の方法としては自然周期法、卵巣刺激周期法、ホルモン補充周期法があります。


ちなみに「凍結胚移植」については、以下の記事で詳しくまとめてあります。


ホルモン補充周期と自然周期の妊娠率の差

採卵した周期に移植しなかった私は、自然排卵周期ホルモン補充周期かの選択肢があります。

ただ、このふたつの移植方法で妊娠率や出産率の違いはあまりないそうです。


妊娠率について

  • 新鮮胚移植の妊娠率……平成28年の全国平均20.5%
  • 凍結胚移植の妊娠率……平成28年の全国平均33.3%

上記のように胚移植で「どの時期の胚」を使用するかでは差が出ていたので、まずはそこの選択肢が肝心のようです。

また妊娠率はあくまでも平均なので、20代50代かで全く異なることは、どの数値にもいえることです。

そして病院により、全国平均よりも高い妊娠率の実績のあるところもあるので、最初の病院選びも大切ですね。


移植周期の判断基準

  • 自然排卵周期……使用する薬剤の量を減らしたい場合
  • ホルモン補充周期……ホルモンが不安定・通院日数を減らしたい・移植日のスケジュールを押えておきたい



違いをざっくり分けるとこんな感じです。


妊娠率が変わらないとすると、他の面で判断することになります。

そこで、それぞれのいい所と、悪い所を詳しく見ていきましょう。

凍結胚移植スケジュール① 自然周期

自然排卵により排卵をさせて、その排卵日から胚移植日を決定する方法。


ホルモン剤を使わないので、自然。
ホルモン剤による副作用の不調がない。

排卵を確認するため、頻回の来院が必要。
月経不順の方では難しい。
胚移植の日程の調整が不可能。

凍結胚移植スケジュール② 卵巣刺激周期法(クロミフェン、hMG-hCG療法)

排卵誘発剤を使用し、卵巣を刺激して排卵を確認した上で胚を移植する方法。


採卵と同時に行える。
自然周期が適さない月経不順の方や、内膜の薄い方でも行えることが多い。

正確な排卵日の決定が難しい
副作用である内膜が薄くなる
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高まる

凍結胚移植スケジュール③ ホルモン補充周期

2種類のホルモン剤を使用し(エストロゲンで内膜を厚くして、プロゲステロンで排卵後の状態を作る)、内膜の黄体化を行った日より胚移植日を決定する方法。


胚移植決定までの来院日数も少なく、日にちの調節が容易。
融解後の胚の発育が遅い場合でも着床させることができる。

毎日ホルモン剤を使用する必要がある。
妊娠成立後も8~9週まで長期間の投薬。

冷凍胚移植の移植周期が決定しました!

私はもともと生理不順だったので、自然周期はなし。
また、今回は採卵期(クロミフェン、hMG-hCG療法)を既に見送っているのでなし。


結果、必然的にホルモン補充周期になりました。

説明でも「主流の方法である」ということだったので、特に悩むこともありませんでした。

自然周期に強いこだわりがない場合は、子宮の環境を整えられる方を選ぶ方が多いのかもしれませんね。


まぁ私の場合は、元がホルモンが不安定で、採卵できた数も15個と多かったので、実質ホルモン補充周期の一択でしたけども(^^;

 

採卵後の排卵スケジュール

採卵後の生理は、時期的には採卵から10日め前後と、通常より早く来ます。

その生理3日めから黄体ホルモン(プラノバール1日1錠 × 21日間)を飲んで、服薬終了後の1週間以内に再び生理がきます。

次の生理が来るまで子宮を休ませつつ、服薬漬けでホルモンを整える日々が始まるのでした。


その他の詳しいことは以下の記事も参考にしてください!

 

Sponsored Links

アシステッドハッチング・孵化補助法(AH) とは

続いて孵化補助法についての説明がありました。

アシステッドハッチング (Assisted Hatching)略してAHとは、着床前の受精卵の孵化を人工的に補助する技術のことです。

自然妊娠の孵化(ハッチング)の流れ

受精卵や卵子は、透明帯と呼ばれる膜状のもので覆われています。
精子がこの膜を通ることにより、膜が硬くなります。

なぜ硬くなるかというと、他の精子が通らないようにして多胎妊娠を予防したり、分割で一つ一つの細胞がバラバラにならないように保護するためだそうです。

自然妊娠の場合、子宮内に受精卵が到達する5〜6日め頃に透明帯からでてきて、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。


胚盤胞の孵化の様子

  1. 受精卵は透明帯の中で胚盤胞に成長する
  2. 胚盤胞は成長と共に透明帯を押し広げる
  3. 透明帯の亀裂が生じ、次第に押し広げられていく
  4. 胚盤胞は透明帯から出て、子宮内膜に着床する



この②~④の透明帯から胚盤胞が出てくることを孵化(ハッチング)といいます。


Sponsored Links

アシステッドハッチングを行った方がよい場合

  • 移植を2回以上行っているが妊娠できない場合
  • 女性が高齢で透明帯硬化の疑いのある場合
  • 胚凍結による透明帯質的異常の疑いのある場合
  • 胚の質が良くない場合



もし上記のような理由で、透明帯が通常よりも厚かったり硬かったりすると、受精卵は孵化ができずに子宮内膜に着床することができません

または胚の質が良くない場合は、胚盤胞自身の力でハッチングしない可能性もあります。

このような場合は、移植する胚や胚盤胞の透明帯に穴を開け、ハッチングを人工的に行うことで、着床率を上げることができるのです。

孵化補助法について書かれた病院の資料の写真です。

Sponsored Links

アシステッドハッチングの種類

AHには薬品を使用するなど様々な手法がありますが、現在はレーザーを用いる方法が主流になっています。

これは胚にレーザーを照射して、透明帯円周の1/4程度を薄く削っていく方法になります。


レーザーが主流になっている理由としては、操作がより素早く正確に行えること、細胞のDNA障害を起こしにくく、卵に与えるダメージが少なくて安全性が高い点が評価されているようです。

実際かなりの症例が国内・海外で広く行われていますが、現在までに「胚への悪影響があった」という報告はされていないそうです。

 

Sponsored Links

アシステッドハッチングを行うメリット・デメリット

メリット

孵化補助法を行うと、妊娠率を上げることができるのが最大のメリットです。

AHによる妊娠率は30%以上あり、病院によっては45%を超えるところもあるそうです。

また、そこまで高価ではない(この病院では21,600円)ので、少しでも確率を上げたい人にとっては1つの選択肢といえます。


デメリット

AHを行うことで一卵性双胎が増加するという報告があります

また、AHは新しい技術で、まだその効果や副作用がはっきりと証明されていません。

特に39歳以下の場合の有効性は検証の余地を残しているようです。


体外受精や顕微授精がうまくいかないのは、着床に問題がある場合が多いですが、
着床に関しては未知な部分が大きく、「確実に着床させる」といった技術がないのが現状です。

アシステッドハッチングをするかしないかの選択

説明をしてくれた培養士さんには、


  • 透明帯が通常より厚い・硬いかどうかはまだ分からないので、必ずやるべきものではない
  • 今回、AHを行ったから妊娠した・しないかどうかを確かめる術はない
  • 確実に妊娠できる効果があるわけではない


上記をふまえて、「十分に検討と相談をして自己判断で決定して下さい」と説明されました。


否定も肯定もせず、という感じでしょうか。

あんまりオススメすると、それで妊娠しなかったら「AHやったのになんで⁈」とクレームがくるからかな(;´∀`)


そんな感じだったせいもあって、私たちは今回はまだ1回めだったこともあり、即、AHをやる! という選択はしませんでした。

もし2回連続で妊娠不成立になった場合は、受精卵の透明帯が固くなっている可能性があるので、試してみる価値があるかなーと思います。


現在、病院によっては問答無用で全受精卵に孵化補助法(AH)を行っているところもあるそうです。

胚へのダメージも少ないそうなので、次回以降の結果次第で再検討の余地があり、といったところでしょうか。

Sponsored Links

まとめ

  • 凍結融解胚移植の場合は、子宮環境を整えられるホルモン補充期に行われることが多い
  • アシステッドハッチング(AH)は、人工的に孵化させることで妊娠率を上げる効果がある
  • AHの胚へのダメージは少なく安全性が高いが、副作用や効果に未知な部分を残している



というおはなしでした。


この病院の毎回の診察がアッサリしているので、その分これで良いのかな?と不安になることも多く。

また私も優柔不断で流されやすい方なので、今回のように治療方針を決めるような時に主人が同行してくれてよかったと思います。

いつもはひとりで診察で全て事後報告になってしまいますが、この日は一緒に質問できたりして心強かったですね^^


こうして無事に胚培養士さんの説明で今後の方針が決まり、ひとまずはプラノバールの服薬で、生理の調整をしていくことになりました。

スポンサーリンク