向かい合っている双子の写真です。双子ってかわいい! 私も欲しい! と思ったことのある方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでまだあまり知られていない「双子の特徴」についてまとめました。

一卵性・二卵性の割合、双子の男女の確率、遺伝や不妊治療との関係、双子を妊娠する方法、双子の妊娠・エコー検査・出産・授乳・子育てまで、様々な角度から「双子」に関わる事柄を調べています。

実際に双子妊娠をした私の実体験も含まれていますので、双子が欲しい方や双子を妊娠中の方の参考になればと思います。

(記事にボリュームがあるので、目次から興味のある話題へジャンプしてください^^)

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双子が産まれる割合

一般的に100組に一組の確率で生まれるという双子。

その割合をより詳しく見ていきましょう。

双子の作り方

双子は一卵性と二卵性のふたつのタイプがあり、受精の仕方が違います。

精子の数と卵の数がそれぞれ違うので、そもそもの「作り」からして違うと言えますね。

一卵性双生児

  • ひとつ卵にひとつ精子の受精し、卵が2つに分かれたもの
  • ほぼ100%同じ遺伝子情報
  • 性別・血液型も同じ

 

二卵性

  • 2つの卵にそれぞれ別の精子が2つ受精したもの
  • 遺伝的には平均して50%同じ
  • 性別・血液型は、同じことも異なることもある

 

このように一卵性双生児は遺伝的に全く同じで、二卵性双生児はきょうだい程度の類似度、つまり「きょうだいが一緒に産まれた」といった感覚になります。

双子妊娠は遺伝か

一卵性双生児は「受精卵の突然変異」と言われています。そのため妊娠する確率は人種関係なく、世界中でみんな同じで、遺伝性はありません。

二卵性双生児は、何らかの理由で「一度の排卵でふたつ以上の卵」を排出した場合に起きるものです。

自然妊娠の場合、もともとの体質的に「多排卵」傾向がある事が多く、遺伝による影響が大きいそうです。


そして影響があるのは、母親の家系(親・姉妹・親戚)のみで、父親の家系の影響で「多排卵体質」になることは無いと言われています。

また、出産経験がある方が初産よりも、双子を出産する可能性がやや高くなるそうです。

二卵性の双子になる原因

 

排卵の仕組み
  • 生理の初日から14日目に排卵(生理周期が28日型の場合)
  • 左右のにある卵巣のどちらか片方から排卵
  • 通常1個のみの排卵


しかし、何らかの原因で卵巣から2個の卵が排出されることがあり、これがふたつの精子と出会って受精した場合、二卵性の双子となります。

染色体が異なるので、全く似ていないことも。

実際、我が家の二卵性の双子は容姿も性格も似ていません!

一卵性の双子になる原因

 

卵の成長
  • 1個の卵が精子と出会って受精卵になる
  • 細胞分裂を繰り返して胚へと成長していく
  • 胚から最終的に1人の胎児となる


しかし、何らかの原因で、2人の胎児に成長する場合があり、これが一卵性の双子になります。

顔が容姿がそっくりになるのは、染色体が完全に同じだからですね。

 

人為的な原因でも双子になる

結婚の高齢化に伴い、高齢での出産も珍しくなくなりました。

そのため、不妊症治療を行うカップルも増加の一途を辿り、今や27人に1人は不妊治療で産まれた子供と言われています。


★排卵誘発剤の使用

不妊の原因で、卵巣から排卵が起きない場合やタイミング法でうまくいかない場合は、排卵誘発剤を使用します。

自然周期では通常1個ですが、排卵誘発剤を使用した場合は2~4個の排卵が見られることがあるため、
双子や多胎になりやすいと言えます。

排卵誘発剤の種類
クロミッド錠
比較的、副作用の少ない飲み薬。効き目は注射薬に比べると穏やか。
多胎妊娠の確率…4~5%

ゴナドトロピン(hCG)注射
卵巣に直接刺激を与えため、効果の強い注射薬。卵胞が増えやすい。
多胎妊娠の確率…15~20%



排卵誘発剤のスケジュールや副作用についてはこちら。



★体外受精や顕微鏡受精

体外受精では、排卵誘発剤を使用し、多くの卵を採取します。

採取した卵に精子をかけ、良質な受精卵「のみ」を子宮にもどす治療になります。

以前は、妊娠率を上げるために、3~5個の受精卵をもどしていた時代があったため、三つ子・四つ子などの多胎妊娠が増加しました。

しかし2008年以降、多胎妊娠は「母体への負担」「胎児へのリスクが高い」という理由から、体外受精や顕微授精で移植する胚は基本的にひとつの受精卵を戻すという決まりになっています。


体外受精や顕微授精で多胎になる確率
双子出産の確率…全体の約3%
多胎出産率(双子、三つ子を含む)…全体で約2%

“生殖補助医療の歩みとこれからの課題”より参照)


体外受精についてはこちら。



このように、確かに自然妊娠よりは確率は高くなりますが、とびぬけて多いわけではなく、不妊治療の大半は「単胎妊娠」という事実を知らない方も多いのではないでしょうか。

現在では「戻す卵の数が決まっている」体外受精や顕微鏡受精より、排卵誘発剤を使用した妊娠の方が多胎率が高くなるようですね。

どちらにせよ、双子妊娠の方に安易に「不妊治療なの?」と聞くのは野暮なのでやめておきましょう(^^;

双子が産まれる確率とは?

一卵性の双子が生まれる確率は、昔も今も人種も関係なく、ほぼ一定で1000組の出産に対して4組ほどと言われています。

自然妊娠で二卵性の双子が産まれる確率は、人種差があると言われており、日本は1000組の出産に対して6~10組北欧はその倍くらいの確率になっています。

そして黒人種が一番高く、1/50の確率あるいはそれ以上とも言われています。


厚生労働省の人口動態調査より
  • 1960年の多胎児出生率…1%
  • 2005年の多胎児出生率…2.2%
  • 2014年の多胎児出生率…1.9%



日本の出産総数は減少傾向にある中で、双子の出生数は年間約2万人をキープしています。

その原因は高齢出産の増加、不妊治療の増加などが指摘されています。

 

双子の膜性ごとの確率

膜性とは、羊膜(赤ちゃんを包む膜)と胎盤の数によって分類される診断方法のことを言います。
膜性診断には、以下の3つの種類があります。


  • 2絨毛膜2羊膜双胎は 70~75%
    ふたりの赤ちゃんが別々の膜に包まれた空間にいる。
    それぞれの赤ちゃん専用に胎盤がふたつある。

  • 1絨毛膜2羊膜双胎は25~30%
    ふたりの赤ちゃんが別々の膜に包まれた空間にいる。
    ひとつの胎盤をふたりで分け合って使っている。

  • 1絨毛膜1羊膜双胎は 1%以下
    ふたりの赤ちゃんが同じ膜に包まれた空間にいる。
    胎盤もひとつ。双胎妊娠の中では最もリスクが高い状態。



二卵性双胎は2個の胎盤があり、二絨毛膜二羊膜となります。

一卵性双胎は分裂の時期により、二絨毛膜二羊膜、一絨毛膜二羊膜、一絨毛膜一羊膜のいずれかになります。

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双子を妊娠する方法

双子が欲しい!
それには双子妊娠のメカニズムを知る必要がありますが、双子の出生の仕組みには謎が多いと言われています。

一卵性双生児を妊娠する方法

ひとつの受精卵が成長過程で2つに分かれる原因はいまだにはっきりとはわかっていません。

一説として、以下の可能性があげられることもあります。

  • ホルモンバランスの異常
  • 壮年期の出産
  • 若年期の出産
  • 激しい運動による衝撃 など


しかし上記に多く当てはまったからと言って、必ずしも一卵性双生児になるわけでもないので、基本的には偶発的なものと考えられています。

まず狙って妊娠する方法がない「稀な妊娠」が一卵性双生児と言えます。

二卵性双生児を妊娠する方法

受精卵が2つ以上排出される体質や遺伝、人種などの影響が考えられています。

  • 経産婦
  • 母方の遺伝
  • 多排卵体質
  • 排卵誘発剤の使用
  • 生殖補助医療を受ける
  • 高齢妊娠(35歳以上)
  • 二卵性の双子を妊娠したことがある
  • 身長・体重が平均より大きい
  • アフリカ系血統

 

高齢出産をすると双子を妊娠しやすい?

高齢(35歳以上)になると、加齢によって卵子の成長を助ける「卵胞刺激ホルモン(FSH)」が上昇する傾向があります。

それにより1回の排卵数が増えるため、二卵性の双子を妊娠する確率が高くなると言われています。

背が高い女性は双子を妊娠しやすい?

人間や動物は、成長ホルモンによる刺激で「インスリン様成長因子(IGF)」とと呼ばれる化合物が分泌されます。

この「IGF」により卵胞刺激ホルモンへの卵巣の反応が良くなって、排卵する卵子の数を増やすので、双子を妊娠しやすくなると考えられています。

そして背が高い女性の方がその成長ホルモンと関係するタンパク質を持ってるので、IGFの血中濃度は、遺伝的な要因にもよるとされています。

乳製品をたくさん食べると双子を妊娠しやすい?

乳製品も食べない菜食主義の女性は、ふつうの女性に比べて、双子を妊娠する確率が1/5であることがアメリカの研究者の調査で判明しました。(the Journal of Reproductive Medicine May 20 2006)

これは牛乳の中に含まれる「インスリン様成長因子(IGF)」が原因ではないかと指摘されています。

牛の乳量を増やすために成長ホルモンが使われていることが関係していると考えられています。


黒毛和種泌乳牛への成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)の連続注射は、内因性の成長ホルモン(GH)分泌を刺激して、血漿インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度の上昇及び増乳効果を発現させる。

この時、インスリン(INS)分泌能の亢進が認められる。

 

葉酸をとると双子を妊娠しやすい?

葉酸は細胞の分裂・分化に必須の「メチオニン」の代謝を助ける働きがあるので、双子になるには必要な栄養素と言えます

またDNAの合成にかかわり、おなかの赤ちゃんの体の形成に役立つだけでなく、妊娠中の様々なリスク(胎児の脊椎や胎盤のトラブル)を防いでくれる働きもあります。

双子妊娠を希望する方だけではなく、どんな妊婦さんも妊娠前から産後まで摂取した方が良い葉酸。

ビタミンとともに働くので、バランスの良いサプリメントを選んで、妊活中から取り入れるようにしましょう。

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現代の女性は葉酸だけでなく、栄養が足りておらず、酸化ストレス=身体のサビがひどいと言われています。

酸化ストレスの原因である活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子をも攻撃(酸化)してしまうので、赤ちゃんにとっても大敵!

まずは自分の身体をしっかりチェックして予防に努めましょう^^


「遺伝なし」で双子妊娠をした自分を振り返ると、排卵誘発剤と体外受精はもちろんのこと、高齢出産で背も低くはない方で、乳製品も大好きで葉酸も多めに摂っていたのも手伝って、双子男子を授かったのかもしれませんね(*‘∀‘)


活性酸素についてはこちら。


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双子の男女の確率はどれくらい?

続いては双子の性別のお話です。

自然妊娠の男女の確率

自然妊娠の場合、男女比は約半々(105:100)と言われています。

そして胎児の性別の決定は、精子が握っているのだそうです。

卵子
・X染色体(女の子の性別)でできているもの 

精子
・X染色体(女の子の性別)でできているもの
・Y染色体(男の子の性別)でできているもの


このように、男女どちらの染色体も持った精子が、卵子に授精した際に性別が決まるのです。

一卵性双生児の男女の確率

一卵性双生児の場合、ひとつの卵が2つに分裂したということは前述の通りです。

もともと同じ卵細胞から誕生したものなので、その性染色体(性を決める遺伝子)の組み合わせもまったく同じものと考えられます。

性染色体の組み合わせということは、当然性別も同じになるので、一卵性の双子が男女になることはありません。

しかしごく稀に、男女の一卵性双生児も誕生するそうですが、ほとんど奇跡の確率みたいですね。


稀に異なる性別の一卵性双生児が誕生することがある。

2つに分かれる前の受精卵の性染色体がXY(男)の場合、多胚化する際に一方のY染色体が欠落しXY(男)とXO(女)の異性一卵性双生児として誕生する可能性がある。

 

二卵性双生児の男女の確率

二卵性双生児の場合は、必ずしも性別が一致するとは限りません。

男女の双子(ミックスツインズ)が生まれてくる確率は、「二卵性の双子のうちの40%」と言われています。

 

上の子下の子
パターン1女の子女の子
パターン2女の子男の子
パターン3男の子女の子
パターン4男の子男の子


ここで性別が異なる確率は、この4パターンのうちの2パターン=50%の確率で男女の双子が生まれてくることになります。

しかし実際は性別で出生の差が出るのか、世界的な統計では4割というデータになっているそうです。

 

双子全体で見る性別の割合

日本の多胎児データベースに基づいたある調査によると、以下のような結果になったそうです。


男女の二卵性双生児:142組(30.8%)
女女の二卵性双生児:79組(17.1%)
女女の一卵性双生児:70組(15.2%)
男男の二卵性双生児:69組(15.0%)
男男の一卵性双生児:59組(12.8%)

 

うちは男の子の双子なんですが、レアなタイプとは知りませんでした。

「男女の双子が一番多いこと」が意外に感じるのは、大きくなるにつれて男女で生活圏が変わって一緒に行動する事が少なくなって、双子と気がつかないせいもあるのでしょうか。。。

ミックスツインズ(男女の双子)だとまさに一度で二度おいしい感じがしますが、一定の年齢になった時、同じ育て方でいいのか悩むかもしれませんね(;^ω^)

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双子妊娠のあるあるネタ

よく聞かれることや、不思議に思う点をまとめました。

双子を妊娠したら予兆ってあるの?

これは私の体験談になります。

私の場合は、体外受精で胚(受精卵)をふたつ戻したので、二卵性双生児になります。

35歳未満の二回めの胚移植でふたつ戻すことになった経緯は、凍結した胚の融解時にトラブルが生じたため。

「破棄」か「継続」か選ばなくてはいけなくなって、心情的に「経過不良で破棄」という選択肢を選べなかったのが理由になります。


そうして手術当日に急遽ふたつを子宮に戻すことになり、その後普段通りの生活を過ごし(海外旅行に行ったけども)、妊娠判定まで「ふたつとも着床する」という予兆は全くありませんでした(;´∀`)

不思議な夢を見たとかネタがあったら面白かったんですが。。。
自然妊娠ならあったのかなー?


双子が産まれることになった決断についてはこちら。

双子のつわりは二倍つらい?

つわりも最初の妊娠判定が陽性になって、胎嚢を確認してからも、すぐには出ませんでした。

ただ、長期間のホルモン剤の副作用で基本的に「だるい」「頭痛」といった体調不良は続いていたので、目に見えての変化が少なかったのかもしれません。

しかし、その後ほどなくして「とにかく眠い」という眠りづわりがスタート。

妊娠8週目には一日の半分ほど寝ているという事態に。。。


その後もつわりは軽くなることなく、様々なマイナートラブルが増え続け、妊娠後期には「後期つわり」なるものが始まり、結局出産後まで体調不良は続くことになりました。

しかしこれは「双子だから」ということではなくて、個人差によるものだと思います。

双子妊娠でも健やかなマタニティライフを送る方もいらっしゃいますし、病院でも多胎ママとお話する機会もありましたが、「双子だからつわりが早い・ひどい」とかはないんじゃないかな? と個人的には感じています。



つわりについてはこちら。


双子妊娠はいつ頃エコーでわかるの?

双子かどうかは、超音波(エコー)検査で確認するので、病院での検査が必要になります。

胎芽の成長には個人差があるため、妊娠10w前後の妊婦健診で双子の膜性を診断することが一般的です。

二卵性双生児の場合
  • 妊娠初期に2つの胎囊なら「二絨毛膜」
  • それぞれの胎嚢の中にひとりずつの赤ちゃんが成長していくと「2絨毛膜2羊膜双胎」


DD双胎(2絨毛膜2羊膜双胎)…妊娠5w以降にわかります。

絨毛膜と胎嚢と呼ばれる赤ちゃんを覆う袋の数は同じになります。
胎嚢が確認できた時に、胎嚢を2つ確認できた時点で、DD双胎と診断されます。

私の場合も妊娠5wで胎嚢と心拍がふたつ確認できたので、2絨毛膜2羊膜双胎となります。


妊娠判定の様子はこちら。



一卵性双生児
  • 妊娠初期に胎囊が1つなら「一絨毛膜」
  • 2人の赤ちゃんが、別々の羊膜に包まれている場合は、「一絨毛膜二羊膜双胎」
  • 2人の赤ちゃんが、ひとつの羊膜の中に共存している場合は、「一絨毛膜一羊膜双胎」

 

MD双胎(1絨毛膜2羊膜双胎)…胎芽は妊娠7w以降に確認できます。

エコー検査で、胎嚢とは別の「薄い膜(羊膜)」と「胎芽」を確認すると、MD双胎となります。

MM双胎(1絨毛膜1羊膜双胎)…胎芽は妊娠7w以降に確認できます。

エコー検査で、ひとつの胎嚢の中に「2つの胎芽」があるときはMM双胎と診断されます。

双子の出産

双子妊娠はハイリスク出産にあたり、普通の産院では断られる場合が多くなります。

  • NICU(新生児集中治療室)がある
  • M-FICU(母体胎児集中治療室)がある
  • 小児科が併設されている


このように、いざとなった時に救命できるだけの設備と人材が揃っている総合病院で出産するのが望ましいとされています。


双子の分娩方法についてはこちら。


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双子妊娠のリスク

多胎妊娠では、出産時期が予定日より約3~4週間早まり、「早産」「低体重児」のリスクが高くなります。

そのため、どんなに順調でも妊娠30~34wには管理入院になることが多くなります。(入院の週数は病院による)

胎児が未熟の状態で生まれた場合、人工呼吸器による治療が必要になり、出産後すぐに保育器に入れられることも。

そのため、重い後遺症が残る可能性も高くなります。


早産のリスクについてはこちら。



また多胎妊娠は、母体への出産リスクを高くする合併症も多発させます。

  • 妊娠高血圧症候群
  • 妊娠糖尿病
  • 胎盤異常
  • 帝王切開 など

 

このように、ママだけでなく生まれてくる赤ちゃんにまで、重いリスクを背負うことになる双子妊娠。

健康な新生児でも大変なのに、多胎妊娠と分娩で大量に消費された後のママの体力で、未熟で生まれてきた新生児の育児をする労力は計り知れません。

その後、無事に成長したとしても、経済的・精神的な負担に悩み、産後うつになる割合は単胎妊娠よりもずっと多いと言われています。

絶賛育児中の双子ママに、気軽に「私も双子ほしい!」なんて言わない方が無難かもしれません(笑)


双子妊娠のトラブルについてはこちら。


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双子のなにが大変なの?

何が大変って全部大変なんですが…(^^;

新生児期の母乳育児についてひとつ例をあげると、単胎児と多胎児では授乳状況に差が見られるというデータがあります。


単胎児
  1. 母乳のみによる授乳… 約45%
  2. 混合栄養… 約30%
  3. 人工栄養のみによる授乳… 約25%

 

多胎児
  1. 母乳のみによる授乳… 約4%
  2. 混合栄養… 約44%
  3. 人工栄養のみによる授乳… 約52%



これは出生体重に関係があるとされています。

  • 単胎児の出生体重は、約3,000g
    低出生体重児として出生する単胎児は、5.6~7.0%

  • 双子の出生体重は、2,500g前後
    低出生体重児として出生する双子は、約50%


このように生まれながらに「低体重」というハンディキャップを持っていることが多いのです。


小さく生まれた児は母乳の飲みが悪いことが知られています。

出生体重が小さいほど、哺乳力も弱くなるので、多胎妊娠では人工栄養のみにより授乳されている児の割合が高くなっていました。

初めての妊娠で、まず躓くポイントである母乳育児。

そこで悩むママも多いと思いますが、赤ちゃんが吸ってくれないことには母乳は増えません。


お腹すいたと小さな赤ちゃんが一日中交互に泣くのに、飲んでくれないという絶望感は半端ないです(;_:)

特に日本では母乳神話とも呼べるくらい「母乳」にこだわる傾向がありますから、その中で「赤ちゃんに母乳をあげられない」事を受け入れるには時間がかかり、胸も痛む事と思います。
(それが赤ちゃんの哺乳力の問題であっても)


私の場合は2500gは超えて生まれてきてくれたこともあって、なんとか「ほぼ母乳」で育てることはできましたが、その授乳生活は思い出したくもないほど壮絶でした。。。

新米ママの初仕事から、大きな負担を強いられる双子育児。

特に最初の頃は余裕も無いせいで「双子でよかったな」と思う事より、つらいことが多く感じてしまうのは、2人だから苦労が2倍どころか「倍々倍々」くらいに手がかかる現実があるからだと思います。

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双子で成長と発達の差は出るの?

以下は、ふたごの成長と発達 を参考にしました。

  • 双子の第1子は、第2子に比べ12歳ころまで体格(BMI)が大きい

  • 二卵性の双子は、一卵性の双子よりも体格(BMI)が良く、背が高い傾向がある
    (子ども〜思春期の頃は差は2cm、大人では0.9cmの差)

  • 出産時体重にばらつきがあり低体重が多い双子も、1歳頃には、単産児と相違ないほどの体重分布に近づいている事が多い

  • 一卵性、二卵性ともに、2人の出産時の体重差が650g以内であれば、双子の発達の差に影響はない



このように双子であっても、生まれてからの環境次第でどうとでもなるという事がわかります。

ちなみにうちの二卵性の双子男子は、骨格から体格、性格もすべてが全然違くて、食の嗜好まで違うので、3歳で体重差は1.5kgくらいあったりします。。。
(どっちもよく食べるけど、上の子は高カロリー好き、下の子は低カロリー好き)

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不妊治療と双子の関係

かつては体外受精による妊娠率を高める為に、複数の受精卵を子宮に移植することが日常的に行われてきました。

30歳代で2個の受精卵を同時に子宮に移植すると、約20〜40%の確率で多胎妊娠になるため、かなりの高確率で双子を妊娠していたことになります。

複数胚移植が行われていた時代背景
  • 生殖補助医療の歴史が浅く、受精卵の培養技術が確立していなかった
  • 受精卵の凍結技術も低く、胚の質が低下する可能性が高かった など


しかし技術は年々向上し、胚に負担の少ない受精卵の凍結保存方法(ガラス化方)が一般的に普及し始めたことで、平成20年に日本産科婦人科学会は、胚移植個数についてのガイドラインを発表しました。


1.体外受精などの胚移植においては、日本産科婦人科学会の見解どおり、移植胚数を3個以内とすることを厳守する。

2.多胎妊娠のリスクが高い35歳未満の初回治療周期では、移植胚数を原則として1個に制限する。なお、良好胚盤胞を移植する場合は、必ず1胚移植とする。

3.前項に含まれない40歳未満の治療周期では、移植胚数を原則として2個以下とする。なお良好胚盤胞を移植する場合は、必ず2個以下とする。

4.移植胚数の制限に伴い、治療を受けるカップルに対しては、移植しない胚を凍結する選択肢について、各クリニックにおいて必ず提示することを求める。



このような方針になってからの「多胎率」は前述の通り、全体の3%ほどで落ち着いています。

不妊治療中に移植する胚の個数は、上記ガイドラインに基づきクリニックの判断で進言されます。

双子が欲しいから、胚を2つ戻して! というのは難しいかもしれませんが、治療経過によっては「複数胚を戻す方法」を勧められることもあると思います。


しかし、多胎妊娠のリスクは体外受精の「副作用」に分類されるほど重いものです。

特に早産、流産、死産を繰り返しているケースでは、多胎妊娠になる事で流産や早産のリスクをより高めることを理解する必要があります。

複数胚の移植は熟考の上、決めることが大切です。



ガラス化方についてはこちら。


体外受精で生まれてくる子は男の子が多い?

男の子が生まれる胚盤胞の場合、その分割スピードが早いと言われています。

体外受精で「グレードの高い胚」として判断される基準に、成長度が早い卵という条件があります。

  • 男の子の性別を持つ受精卵…分割の成長スピードが早い
  • 女の子の性別を持つ受精卵…分割の成長スピードがゆっくり


このような特徴があるため、比較した時に女の子の受精卵の方がグレードが低い数値を付けられる傾向があります。

良好な胚から治療に使用されるので、女の子が生まれる胚盤胞が移植されにくいことから、「体外受精では男の子が多い」と言われるのではないかと考えられています。


ちなみに男女の受精卵でスピードが異なる理由は、まだ明らかになってはいないそうです。

体外受精では「男の子の双子」が比較的多く誕生するのかもしれませんね!


胚のグレードについてはこちら。


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まとめ

  • 一卵性双生児の方がレアで確率は世界共通、二卵性双生児は男女が多く、遺伝や人種で確率は異なる
  • 確実に双子を産める方法はないが、栄養面や排卵誘発剤の使用で確率は高まる
  • 双子妊娠も双子育児も「死ぬほど」大変なことを伝えたい

 

というおはなしでした。


双子ってやっぱりかわいいです。


壮絶な体験ばかりですが、かわいいです。

それは間違いないですが、うちのように主人が超絶イクメンだったり、両家の両親に援助してもらえる環境でないと、核家族のワンオペ育児では「確実に」崩壊する自信があります。。。

もし身近に双子のチビちゃんを妊娠していたり、育てているママがいたら、ぜひ優しい言葉をかけてあげてくださいね( ;∀;)

メンタル弱っているので嬉しくて泣いちゃうかもしれません!

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