ついに初めての胚移植「本番」の日を迎えました。
いくらよい胚を選んでも、胚移植できっちりと子宮腔内に胚が戻っていなければ妊娠は期待できません。
しかし、胚移植は医師の腕に任せるしかない部分なので、当日できることといえばリラックスしておく事くらいですが、あいかわらずバタバタしていて落ち着いて手術を受けられたかというと微妙です(´-∀-`;)
今回は胚移植の手術の流れ、費用、痛みなどの感想と、手術後の注意事項などをまとめました。
これから胚移植を行う場合の参考にしてください!
目次
初めての凍結胚の胚盤胞移植
凍結胚移植の手術費用
8月31日、ついに運命の手術日です!
前回までのホルモン補充治療の様子はこちら。
胚移植手術の痛み
結論から先に申し上げると、採卵時のような施術後の激痛や体調不良もなく、あっという間に終わりました。
採卵時の地獄の痛みを覚えていたので、戦々恐々としていたのですが。。。
採卵の手術の様子はこちら。
手術自体は、あっけないほど簡単に終了し、どちらかというと手術前に「尿をためておかなくてはいけない」ことが大変でした(;´∀`)
手術後も長時間のダウンタイムもなく、すみやかに帰宅できたので、胚移植の手術は怖くないよ! と言えると思います。
胚盤胞移植当日の持ち物と服装
手術日の当日の持ち物は、採卵の時と同じく生理用ナプキンとショーツ。(手術後に着用)
採卵時のように手術着に着替えることはなく、ボトムを脱ぐだけでもいいそうなので、当日の服装はワンピースやオールインワンなどは避けて、ツーピースのものにしましょう。
ここは病院によると思うので、きちんと確認をしてくださいね^^
胚移植前の検査
病院によっては、卵巣刺激の前周期にゾンデ診を行うところもあるようです。
ゾンデ診とは
前周期にゾンデ診を行なってから胚移植を行なうと、妊娠率・着床率が高くなるそうです。
ゾンデ診の際も尿をためて診察するので、本番のリハーサルになるのも利点です。
子宮鏡と子宮頸管拡張
前周期のゾンデ診の結果で、胚移植用カテーテルの挿入が困難と判断された場合は、卵巣刺激の前周期に子宮鏡を行ないます。
子宮頸管が狭窄している場合は、子宮頸管拡張術を行います。
その際に子宮内膜が損傷され、妊娠率が低くなる可能性が高いため、子宮頸管の拡張は必ず卵巣刺激を行なう前周期に行ないます。
実際に子宮鏡検査を行った時の様子がこちら。
(私の場合は卵管の狭窄が疑われました。)
細菌検査とは
膣と子宮頸管の細菌培養を行ないます。
子宮頸部に細菌感染があると、陰性だった場合と比べて妊娠率が低いそうです。
実際に陽性だった場合には、検出された細菌の種類によって抗生物質で治療します。
実際にクラミジアが検出された時の様子はこちら。
私の場合は、不妊治療を始めたばかりということで、最初に行った不妊検査の中で終わっていたので、わざわざもう一回することはありませんでした。
胚移植当日の流れ
それでは実際の手術の様子を順番に見ていきましょう。
尿を溜めておく
事前に、手術の1時間ほど前に「一度トイレに行って膀胱を空にしてから、500mlくらいの水分を摂っておくこと」という説明がありました。
なぜ尿を溜めておく必要があるというと、手術時に腹部の超音波スコープで診た時、膨れた膀胱で邪魔な臓器が押されることで、子宮の位置を確認しやすくするためだそうです。
手術前に尿意が来てしまった場合
時間を見ながら、仕事中に折を見て水分を摂ったのですが、少し早かったようで(^^;;
病院にギリギリ到着した時には、既に尿意が!
すぐ呼ばれればよかったのですが、しばらく待たされたために、いよいよ限界に。。。
受付に悲壮な顔で聞くと、確認しますね〜と言われて、その後いったん2階に呼ばれます。
いやほんと、破裂死するかと思いました((+_+))
直前まで仕事していたしわ寄せですね。
アポで電車の時間に追われると、トイレにも行けないことも多いですが、まさかこんな目にあうとは。。。
買っておいたジュースで、急いで追加の水分補給をして応急処置をしました。
手術室へ呼ばれる
そのまま手術台に案内されると、カゴに荷物を入れて脱いだものもまとめてポイ。
バスタオルをかけて待っていると、看護婦さんと培養士さんが2〜3人来て、まず子宮収縮を防ぐお薬を飲みます。
子宮収縮を抑える薬。副作用に動悸、手の震えなど。
他には気管支筋の緊張をやわらげて気管支の内腔を広げ、空気の通りをよくする作用、鼻粘膜を収縮する作用がある。
病院によっては、緊張しすぎると子宮の収縮が多くなるため、気持ちを落ち着かせるためにセルシン2mg(精神安定剤)を内服する場合も。
胚の説明と本人確認
- 取り違えがないように本人確認は何度か行う
- 当日胚移植予定の胚とその数について確認
- 分割やフラグメントの状態などの説明
- 透明体開口法(AHA)をおこなっている場合はその説明もある
胚移植のカテーテルに胚を吸引するのを担当する胚培養士さんが挨拶に来ます。
次に、自分の氏名・生年月日を伝える本人確認を行いました。
そして培養士さんと今日移植する胚の確認をします。
ラベルが間違いないか本人確認をして、今回の移植の凍結胚のグレードの確認が行われます。
ちなみに第一回目の今日は、凍結した5つの中で1番いいグレードの 4BB で、ES浸漬時間は 10分 のもの。
8〜15分が基準で、短いほど良好な胚といわれる。
マウスで行った実験では、ES浸漬時間6分と10分で比べたところ、短い方が胚盤胞発生率が高い傾向を認めた。(第12回 日本IVF学会)
胚のグレードについてはこちらの記事で。
超音波下の胚盤胞移植
胚の確認が終わると、超音波下に胚移植を行なうため、お腹にジェルを乗せて超音波スコープで子宮の確認を行います。
超音波下の利点
- 確実に子宮腔内に胚移植できるのが確認できる
- 子宮底にカテーテルが当たるなどで子宮収縮を起こす危険を避けられる
- 尿がたまっていると、子宮位置が確認しやすくなり、胚移植が容易になる
- 硬めのチューブでも、超音波で見ながら挿入すると進める方向が分かりやすくなる
超音波を使用しないで胚移植を行なうと妊娠率は低下するといわれています。
このように、手術を容易にし、子宮収縮を避けられる(子宮収縮をすると着床率が低下し、子宮外妊娠率が高くなる)ため、事前に尿をためて超音波下で施術する病院が多いようです。
手術前に尿がたまっていなくてピンチ!
事の顛末を伝えると、
下半身すっぽんぽんでバスタオルをかけられた状態のまま放置される私。
手持無沙汰で、時間の経過が遅い遅い。。。(^^;
そしてに30分過ぎた頃に尿意が忍び寄ってきました。
今度はOKということで、ようやく先生が呼ばれました。
ちなみに経腹超音波で胚移植カテーテルが確認できない時には、経膣または経直腸下に超音波を行なう場合もあるそうです。
子宮頸部の洗浄
頸管粘液の除去の目的になります。
子宮に頸管粘液が残っていると、カテーテルの先がつまったり、胚がカテーテルから出なかったり、余分な頚管粘液を子宮腔内に注入するといったリスクが出てくるためです。
子宮頚部洗浄の流れ
- 膣鏡(クスコ)をゆっくりと膣内に挿入
- 37℃に温めた生理食塩水20mlで膣内を軽く洗浄
- 洗浄用の専用カテーテルで子宮頸管内を洗浄
凍結胚移植手術の本番
そこで写っている胚の数・カテーテル内に確実に入っていく様子を確認できるというわけです。
掛け声と共に、カテーテル(スポイトみたい)の先がモニターに現れたかと思うと、まず空気層を作り、次に培養液とともに胚がスポッと吸い込まれます。
超音波で絶えず子宮位置を確認しながら、極細のカテーテルにセットした受精卵を、慎重に子宮頚管部から子宮内腔へ進めて、少量の培養液と共に胚をそっと置いてきます。
胚移植に使用する培養液は、胚を培養しているものと同じものを使用しています。
胚移植時の子宮腔内に注入する培養液と空気の量は、子宮外妊娠の発生頻度を少なくして妊娠率を上げるために重要で、いかに少なくできるかが医師の腕次第となります。
子宮底1cm~1.5cm手前のところに胚移植をし、粘液を切りながらカテーテルをゆっくりと抜去します。
抜去後のカテーテルはすぐに胚培養士に渡し、胚がチューブの内側や外側に残っていないか確認。
終わりです。
お疲れ様でした〜
との声で、ササっと先生は退出。
先生が来てから、時間として10分もかかっておらず、クスコの不快感以外は痛みもありません。
気分が悪くないか確認されますが、全然ナシ‼️
大丈夫だったらお手洗いを済ませて、受付に声をかければいいとのこと。
このように、タイミング良く膀胱を満タンにできなかったせいで、手術台での待ち時間が長くなってしまった事が大変だったくらいで、麻酔もしない胚移植手術そのもののストレスはなかったです。
凍結胚の胚盤胞移植後の注意事項
手術後には看護婦さんから、注意事項の説明がありました。
凍結胚移植後の安静時間
医師が子宮収縮をおこさないように胚移植できた時は、長時間のベッドでの安静は必要ないそうです。
もし胚移植時にカテーテルがスムーズに入らず、特別な施術をした場合は、ウテメリン(子宮収縮抑制剤)を飲んで、15分~30分ほど安静にすることも。
胚移植後の生活
入浴は良いそうですが、高温となるサウナや岩盤浴は禁止と言われました。
基本的には、胚移植翌日に出血がなければ問題はないので、普段通りの生活をしてかまわないそうです。
移植後2~3日経てば、夫婦生活も大丈夫です。
胚盤胞移植当日の異変
移植時の腟内洗浄や、カテーテル挿入の刺激により出血する場合があります。
少量ではそのまま様子を見て、もし出血が継続する場合や、量が多くなってきた場合は病院に連絡しましょう。
あまりにも気になる程ひどいという場合は、病院に連絡しましょう。
胚移植の手術直後の感想
あっさり!
あっという間!
って感じでしょうか(笑)
この病院では手術日のホルモン検査がないので、時間はかかりません。
最後に培養士さんから、今日移植した卵ちゃんの写真をもらって、なんだか不思議な気分になりました(*’ω’*)
全然実感はわかないんだけど、もしかしてこの卵ちゃんが私たちの赤ちゃんになるかもしれないんだなあ。。。
ぽわーんと考えながらも、帰りの道中も気持ち悪くなることもなく。
翌日以降も普通に出勤し、日常に戻った感じでした。
まとめ
- 凍結胚の胚胎盤移植手術は、施術時間も短くて痛みもないので、ストレスはない
- 超音波で子宮位置を確認するために尿をためておく必要があって、タイミングがずれると悲惨な目に合う
- お暇な時に練習で、自分の膀胱に最適な「水分量と摂取時間」を把握しておくといいかも?
というおはなしでした。
移植時の緊張によって、着床率が変わることがあるそうなので、手術自体は怖くない! とリラックスして臨むといいかもしれませんね^^
あとはパートナーと一緒に来院するだけでも心強いと思います。
ちなみに旦那さんと手術室まで同伴OKな病院もあるそうですよ。
私の場合はすべて初体験で一人だったので、何かと心細かったですが、仕事の合間を縫っての不妊治療だったこともあり、忙しさで気が紛れていたことは良かったかもしれません。
妊娠判定は1週間後に血液検査で行うことになりました。