着床前診断の産み分けで生まれた男女の赤ちゃんの写真です。

着床前診断で「染色体異常のある受精卵」をはじいて、「正常な受精卵」のみを子宮に戻すことで、着床率が上がり、流産率を下げることが可能になっています。

しかし日本ではまだ誰でも受けられる検査ではありません。

そのため、現在は不妊治療のエージェントを通じで、海外で着床前診断を受けるカップルも増えてきています。

そこで今回は、海外と日本における着床前診断の現状、手順、産み分け、費用、リスク、メリットをそれぞれまとめました。

妊娠の不成立、流産を繰り返して悩んでいる方の参考になればと思います。

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着床前診断とは?簡単に説明すると…

不妊治療を続けているとぶつかる着床率。

そもそも着床してくれない事には妊娠が出来ません。

着床しない原因や、着床しても化学流産や初期流産を繰り返す原因は、(精子と卵子の質の結果である)受精卵の問題70~80%、子宮内環境の問題20~30%と言われています。

つまり多くは、受精卵の染色体異常のせいで着床できないと言えます。

そこで「染色体異常のある受精卵」を使用しないように、着床前診断で選り分けた(遺伝子的に)正常な受精卵のみを体外受精に使うことで、高い着床率を得る方法が海外では一般的になっています。

着床前診断の本来の目的

妊娠しやすくなるなら、なぜ日本では一般的に行われていないのか?

その理由は、着床する前から受精卵を選り分ける行為を「生命の選別」にあたるとして、倫理的・社会的に問題があるという意見が根強く、また法整備の問題もあり、賛否が分かれているからです。


着床前診断は以下の2種類があります。

着床前遺伝子診断(PGT)
《対象》
・重篤な遺伝の病気をもつ子どもを出産する可能性がある。
・染色体の構造の異常が原因で、流産を繰り返す。

着床前胚スクリーニング(PGS)
《対象》
高年女性、体外受精の反復不成功例、原因不明の反復流産などのハイリスク群


そもそもは医学的に重い遺伝性の病気が子どもに伝わる可能性がある患者が、妊娠前に受精卵の異常を選別することで「健康な子供」を産めるようにすることが目的で始まったのが着床前診断。

そのすそ野を広げることで、海外では「妊娠率の高い受精卵を得る」「男女の産み分け」といった、遺伝性の病気以外を目的とした着床前全染色体診断(CCS=Comprehensive Chromosome Screening)が行われているのです。

海外における着床前診断の費用と妊娠率

この着床前診断は通常、遺伝病の検査のために行われますが、アメリカでは不妊検査の一環として着床前全染色体診断が普通に行われています。

アメリカは法律の規制がなく、自己責任が原則で、全世界の2/3がアメリカで行われていると推定されています。

おおよその費用は、海外での不妊治療コーディネーターのサイトによると以下の通り。

費用について
着床前全染色体診断=CCS(夫婦間体外受精)プログラム総費用の目安は以下の通りです:

およそUS$45,000 + 渡航費及び個々の追加費用

*男女産み分けの同時実施は無料で追加できます。

上記はあくまでも目安です。
個々のケースにより、必要な検査等が異なる場合があり、最終的な医療費にも違いが出ます。(中略)

個々の患者様の追加医療費や検査費

医療であり、人間の身体が関わる限り、事前に確実な総費用の見積もりを用意することに無理があるのが現実です。

初回検診結果の内容により、稀にもしも追加で必要な検査や治療が提案された場合、その殆どは、日本にご帰国されてから実施可能です。(中略)

二度目の胚移植費用

順調に進み複数の染色体正常な受精卵(余剰胚)が得られた場合、2度目の胚移植の挑戦、あるいは第2子妊娠のための胚移植の費用は、医療費・薬剤代金・手数料等を含め、およそUS$7,000.00+渡航費が目安となります。

 

妊娠率に関しては、1回に1個を移植した場合67~75%と、一般的な体外受精の2~3倍という高確率での着床だそうです。

つまりそれだけ「正常な遺伝子を持つ受精卵」であることの重要性を示しているとも言えます。

着床前診断での男女の産み分けについて

治療とは関係のない性別選択には世界的にも賛否両論ありますが、アメリカでは男女の産み分けも可能になっています。

その目的としては、「ファミリーバランシング」つまり、家族内の性別の偏りを小さくすることです。

着床前診断では、受精卵の性染色体を含む「すべての染色体」について異常を調べるため、その過程で受精卵の性別も判明します。

つまり男女の産み分けは、着床前診断で得られた「正常な受精卵」の中から希望の性別を選ぶということになります。

手間と費用は同じなので、ほとんどの場合【着床前診断 + 男女の産み分け】を同時に希望して行うようですね。

男女の産み分けを考えた場合、必然的に染色体正常な受精卵を移植することになるため、流産のリスクを回避し、一回の胚移植での高い成功率につながることが期待できます。


海外での不妊治療についてはこちら。

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着床前診断のデメリット

このように、(不妊ではない)遺伝子上の重篤な疾患を持つ患者が、子供に遺伝性の疾患を持たせないために行う検査を、「不妊問題のみ」でも適用するかどうかは海外と日本では異なった立場をとっています。

日本では現在臨床試験に乗り出した段階で、この先いつかは海外のように一般の不妊治療でも着床前診断が認可される日が来るかもしれません。

しかし現段階では「限定的」で認可を得られた方のみが行うものになっています。

そのため長い不妊治療の末、海外での着床前診断に踏み切る人も増えてきているそうです。

では着床前診断を受けることによるリスクにはどのようなことが考えられるのでしょうか。

着床前診断のリスク① 体外受精を前提で行うもの

着床前診断をするには、卵巣刺激のために注射をしたり、採卵をしたりする必要があります。

  • ホルモン治療による副作用や合併症
  • 手術が必要
  • 通院回数が多く大変
  • 自費治療のための経済的な負担


つまり着床前診断を行うことで、体外受精に伴う肉体的・精神的リスクを負わせることになります。

ただこの点に関しては、不妊でない方であったら大変かもしれませんが、すでに不妊問題で長期間にわたって治療を受けている方にとっては「今更なデメリット」といえますね。。。


体外受精についてはこちら。

着床前診断のリスク② 生検による受精卵の変性

着床前診断のために、受精卵から一部の細胞を採取する過程で、胚自体に影響を及ぼす可能性があります。


着床前診断の方法
  1. 受精卵を胚盤胞の段階まで培養する
  2. 良好な胚盤胞の栄養外胚葉(外側に位置する部分)から数個の細胞を採取
  3. 受精卵を凍結保存
  4. 採取された細胞は、着床前診断を行う施設へ輸送
  5. 各々の受精卵ごとに、全種類の染色体に異数性(染色体異常)がないかどうか診断


※胚盤胞の胎児となる部分(内塊部)からは細胞を採取しません。

 

上記ように輸送するプロセスが生じるため、その道中で生検後の細胞が変性してしまって、結果が出ない場合も考えられます。

輸送時の事故によって、品質の劣化紛失などで、そもそも解析できないリスクも。

どれも「可能性」で確率的に低い事ばかりですが、そのリスクはゼロではないので完全には否定できません。


このようなことが起こった場合、再び同じ受精卵から生検を行おうにも、胚盤胞の状態によっては検査自体が100%できるとも言えないのです。


胚操作によるリスクについてはこちら。

着床前診断のリスク③ 診断したからと言って確実に妊娠できるわけではない

着床前診断によって「良好な胚」を得られることが出来れば問題ありませんが、検査精度には限界があり、診断結果が得られないことや不確かな診断となる場合もあります。

異常をもたないと診断された受精卵を移植しても「着床しない」「妊娠しても流産してしまう」可能性も、普通の妊娠と同様にあります。

あるいは、検査の結果「たったひとつ」しか得られなければ、着床率は100%ではないので確実に妊娠できるとは言い切れません。

また、すべての受精卵に異常があり、移植自体ができない可能性も十分あり得るのです。


染色体異常についてはこちら。


日本での臨床試験の途中報告

実際、日本で行われた35歳~42歳を対象にした着床前診断の臨床試験で「正常な胚」を採取することが出来たのは、わずか31%だったそうです。


(中略)
セント・ルカ産婦人科(大分県)からは17人の患者が学会に承認され、全部で42個の胚が解析に出された。
そのうち、染色体本数が正常と判定された胚は、わずか8個しかなかった。率にして、わずか31%だ。

多くの胚が生まれる見込みがまったくない胚で、複数の染色体に過剰や不足があったものもたくさんあった。
当然ながら、香織さんのような、子宮へ戻せる胚がひとつもなかった人は多く、胚移植に進めた人は17人中7人しかいなかった。(中略)



また、海外で着床前診断を受けるには、渡航費や滞在中の宿泊費など治療費以外の出費もかさみます。

このようなデメリットも踏まえ、着床前診断を受けるかどうかを決める必要があります。

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海外で着床前診断を行うメリット

まず第一に、希望をすれば誰でも着床前全染色体診断を受けられる点があります。

また海外での着床前診断の歴史は長く、1990年に最初の出産例が報告されています。

顕微鏡受精は1992年に最初の出産例が報告されているので、それよりも長い臨床期間があると言えます。

現在世界の中で最も多く行われていると推測されるアメリカでも、着床前診断が原因で異常が生じたとの報告は1例もないそうです。


人口割合において世界の95%以上の国で実施されている
米国、オーストラリア、英国、フランス、ベルギー、北欧、ロシア、ギリシャ、トルコ、アルゼンチン、中国、韓国、インド、タイ、マレーシア 他、ほとんどの国

 

着床前診断で着床率を上げ、流産を減らす

40歳以上の流産の83%は染色体異常が原因であると言われています。

出生児における染色体異常の頻度は0.1%程度。

つまり染色体異常のある妊娠の場合、多くは流産として自然淘汰されているのです。

着床前診断で染色体異常のない受精卵を選ぶことによって、流産の可能性を大きく減らすことができるといえます。


自然淘汰についてはこちら。

35歳以上の受精卵の6割以上が染色体異常

どんなに若く健康でも、ヒトの受精卵は染色体異常が半数以上あります。

元々とても妊娠しづらい生き物と言えますね。

そして加齢により染色体異常の割合が増えていくことが分かっています。


染色体異常の割合
  • 20~34歳…59%
  • 35~39歳…63%
  • 40~47歳…74%

 

加齢による精子と卵子の劣化は、誰にでも起こりうるものであり、回避することができません。

染色体異常を持つ受精卵のほとんどは、着床しないか化学妊娠で終わってしまいます。

着床前診断を行うことにより、臨床妊娠に至る可能性の高い受精卵を選ぶことができるので、「体外受精の着床率を上げる」「妊娠した後の流産の可能性を減らす」ことが期待できるメリットと言えます。


年齢による妊娠率についてはこちら。

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日本で着床前診断を受ける方法

海外では誰にでも受けられるといった利点と、渡航費なども含めた出費がかかる欠点がありました。

それでは日本での着床診断はどのような位置づけになっているのでしょうか?

 

日本の体外受精は胚の外見で選んでいる

現在、日本国内で実施されている体外受精では移植する受精卵の選択を「外見」に頼っています。

いわゆる「グレード」判定です。

そして日本の体外受精の妊娠率は30%。

このようにグレードの良い受精卵を移植しても「妊娠率が低い」理由は、見た目が均等で細胞分裂のスピードが良好であるだけでは、受精卵の生命力は測れないからです。

自然妊娠では、当然グレードの判定は行われませんが、「正常 = 生命力が強い受精卵」であれば妊娠はできます。

つまり外見だけでなく、中身(染色体)の異常の有無をしっかり調べることで、着床しやすく、流産しにくい受精卵を選ぶことができます。


受精卵の質についてはこちら。

日本での着床前診断とは?詳しく説明すると…

着床前診断とは、受精卵の段階でその遺伝子や染色体を解析し、遺伝子や染色体に異常がないかどうかを調べる医療技術のことを指します。

日本で着床前診断を受けられるクリニックは、日本産科婦人科学会が承認・認定した施設のみとなり、全国で約100施設あるそうです。

着床する前の受精卵に対して行う検査の中でも、目的によって以下のように分類されています。


着床前単一遺伝子診断(PGT-M)

カップルのどちらかが特定の遺伝性の病気の保因者である場合に受けるもの。
特定の遺伝子異常によって起こる遺伝疾患の検査。

着床前染色体構造診断(PGT-SR)

特定の染色体間で起こる染色体の構造異常を検査するもの。
染色体構造異常の異常がないものを胚移植する。

着床前染色体異数性診断(PGT-A)

流産を減らし着床率をあげる目的で、偶然起きる染色体の異数性に対して検査を行う。
受精卵の染色体数が正常(46、XX/46、XY)であるかどうかを判定するもの。


現在、日本産科婦人科学会が臨床研究を実施している検査が、このPGT-Aと呼ばれるものになります。

着床前染色体異数性診断(PGT-A)は、「着床しやすく流産しにくい」「染色体異常の無い」受精卵を選んで子宮に戻す技術になります。

そのため体外受精の妊娠率を高めたり、流産を予防したり、男女の性別を事前に判定する事もできます。

現在は臨床段階となっていて、2018年から3年間にわたり女性300人を対象とする研究が開始される予定だそうです。

臨床試験の対象
  1. 35~42歳
  2. 体外受精で3回以上成功していない
  3. 原因不明の流産を2回以上繰り返している

 

日本で着床前診断が受けれる条件

着床前単一遺伝子診断:PGT-M

医学的に重い遺伝性の病気が子どもに伝わる可能性がある場合

  • Leigh脳症
  • 筋強直性ジストロフィー
  • 副腎白質ジストロフィー
  • デュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD)
  • オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 など


着床前染色体構造診断:PGT-SR

カップルの染色体の形の変化が原因で、2回以上流産を繰り返している場合

  • 反復着床不全
  • 反復流産
  • 上記の均衡型染色体構造異常をもつ



精子の質についてはこちら。

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着床前診断(PGT-M&SR)の治療の進め方

  1. 医師による一般検査
  2. 診療施設による遺伝カウンセリング(複数回)
  3. 染色体や遺伝子変化の確認検査
  4. 第三者機関の専門遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリング(複数回)
  5. 着床前診断の再確認
  6. 倫理審査委員会への申請を行い、承認を得る
  7. 日本産科婦人科学会への申請



日本産科婦人科学会から承認を得るまでに、半年から1年程度かかることも考えられます。

その結果、承認が得られてから治療を開始することになります。

  1. 卵巣刺激・採卵を行い、体外受精・顕微授精を実施
  2. 胚盤胞の細胞の一部を採取
  3. 共同研究機関で、遺伝学的な検査
  4. 遺伝カウンセラーから遺伝カウンセリング(検査結果)
  5. 移植の意思確認 異常がない胚を移植



この流れを見るだけで気が遠くなりますね。。。(´-∀-`;)

不妊に悩んでいるというのに、また長い時間がここで費やされるかと思うと、日本での検査は現実的ではないような気がしてきます。


着床率についてはこちら。

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着床前診断(PGT-M&SR)のメリットとデメリット

着床前診断のメリット

  • 妊娠する可能性が高まる
  • 反復流産の回避ができる
  • 母体への負担を軽減
  • 遺伝子疾患が遺伝する可能性のあるカップルが、子供を持つことを諦めなくて良い
  • 着床後の出生前診断の結果によって行われる中絶手術の回避


着床前診断のデメリット

 

  • 費用が高額になる(50〜100万円ほど)
  • 誰でも検査が受けられるわけではない
  • 日本産婦人科学会による承認まで時間がかかる
  • 性別の判定は行わない為、男女産み分けはできない

 

  • 学会が許可した遺伝病の検査・相互転座に由来する異常のみの開示
  • 染色体構成の区別はできない(標準型か均衡型相互転座か、など)
  • 病気の原因の有無がわかっても、疾患によっては程度がわからないも多い
  • 胚盤胞を操作したことによる出生後の長期的なリスクが不明

 

費用に関してはクリニックにより異なり、また調べる胚の数によっても変わってきます。

通常の検査や治療費に加えて、カウンセリング費用などもかかるので割高になるみたいですね(;´д`)

検査内容については、必要な項目以外は開示されない決まりになっているようです。

また、妊娠後の出生前診断の代わりになる検査ではないため、日本産婦人科学会では「妊娠後の出生前診断」も推奨しているそうです。


出生前診断とは
絨毛検査
妊娠10w以降に行う。胎盤の一部の絨毛細胞をとって検査するもの。破水や流産のリスクは、30人に1人(約3%)

羊水検査
妊娠15w以降に行う。羊水をとって検査するもの。破水や流産のリスクは、300人に1人(約0.3%)

 

どちらも胎児の細胞を培養して、染色体検査遺伝子検査を行うものになります。

着床前診断と出生前診断をあわせてうけることで、診断の精度が上がると考えられていますが、合併症を引き起こすリスクはゼロでは無いため、任意での検査になっているようです。



体外受精についてはこちら。

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着床前診断(PGT-M&SR)の頻度

以下は参考までに、東京にある不妊クリニックの加藤レディースクリニックでの実績になります。


当院では2006年度より日本産科婦人科学会に対して着床前診断の認可申請を行っています。

着床前診断結果(2019年5月現在の情報です)
認可数195名
治療数157名
延べ移植数225回
延べ妊娠数
 移植あたり妊娠率
128回
56.9% (128/225)
延べ流産数
 妊娠あたり流産率
18回
14.1% (18/128)
延べ出産数
出産児数
101回 (13名:第2子の出産)
103児 (2名:一卵性双胎の出産)

当院で着床前診断を行って生まれた赤ちゃんたちにつきましては、生下時、特に大きな問題はないことが確認されています。 (中略)

残念ながら流産された方々につきましては、ご夫婦の染色体構造異常が原因の流産ではないことも検査で確認済みです。




13年間の結果、この認可数ということです。

これを多いとみるか少ないとみるか。。。意見が分かれるところでしょうか(;´・ω・)

しかしながら、妊娠率の高さや流産率の低さに関しては、着床前診断の一定の成果が表れていると言えそうですね。


不妊治療のつらさについてはこちら。

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まとめ

  • 海外での着床前診断は不妊検査の一環として行われており、誰でも受けることが出来る
  • 日本での着床前診断は、日本産婦人科学会の承認が必要で、審査が通るまでに長時間かかっているのが現状
  • 不妊問題でも着床前診断が一般的になってほしい…

 

というおはなしでした。


着床前診断に関わらず、羊水検査でも論議があった「生命の選択」。

たしかに海外では「デザイナーベイビー」と揶揄されるように、外見やIQのよい精子や卵子を高額で取引し、「少しでも見た目の良い・能力の高い子ども」を望むカップルも多いと思います。

このような倫理的・社会的な問題は、簡単に乗り越えられるものではないとは思いますが、日本では多くの「結果の出ない体外受精」が繰り返されているのも現実です。

終わりの見えない不妊治療でどこにゴールを置くのか…

  • 採卵やホルモン治療の肉体的苦痛
  • 胚移植の不成功や、流産による精神的苦痛
  • 自費治療の経済的負担


これらを長年にわたって強いられるストレスは生易しいものではなく、体験した人にしか分かりませんよね。

もし着床前診断で「染色体の異常」を目に見える形で示されたら、体外受精を続ける・続けないという客観的にものさしとして、卒業するきっかけを得ることにもつながるかもしれません。


「遺伝子疾患で子供を望めない」
「不妊で子供を望めない」

そのどちらも同じように悲しく辛いことのはずです。

「ただ無事に生まれてきてくれる命を見つける」ことは、果たして「命の選別」になるのか?

簡単に妊娠できる時代ではなくなっている現代だからこそ、もっと多くの選択肢があってもいいのではないかと感じています。

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