超音波検査で卵胞が十分な大きさに育ったとわかると、治療はついに次のステップ「採卵」へ進みます。
そこで今回は、採卵前日までの過ごし方や注意事項、採卵前の検査の内容や、採卵前のホルモンの基準値についてまとめました。
また実際の採卵にかかる費用、体外受精で受けられる助成金についても調べてあります。
これから体外受精での採卵を控えている方の参考になればと思います!
目次
採卵前の過ごし方
採卵前の過ごし方で、注意事項をまとめました。
採卵の2日前の過ごし方
採卵の約36時間前に、hCG(ゴナトロピン)注射を受けます。
アンタゴニスト法、低刺激法、自然周期のケースでは、点鼻薬の場合もあるようです。
注射日・注射時刻を厳守し、確実に受けるようにしましょう。
注射を受ける時間が重要な理由
- 早すぎると採卵を行う前に排卵してしまい採卵ができない
- 遅すぎると卵子が卵胞の中に浮いてこないため採卵ができない
- 採卵できても未熟で受精させることが出来ない
このようなことを防ぐためにも、医師に指示された時間を守ることが非常に重要になってきます。
採卵前日の過ごし方
採卵前日は注射はありません。
手術の当日は麻酔をするため、基本的には採卵前夜の午前0時以降は絶飲食となります。
採卵で麻酔をする場合、その前に飲食してしまうと、手術時に嘔吐し、吐物を誤嚥する危険性があるからです。
手術日当日も、採卵後の状態をみるまで飲んだり食べたりできないので注意です!
ただしOS-1やアクアサポートといった「経口補水液」であれば、採卵3時間前までOKという場合もあるようですね。
病院によって違うことも
病院によっては、飲食禁止の時間が「21時以降」「22時以降」であったりする場合があるので、よく説明を聞くようにしましょう。
排便をして胃腸を空にするために、前日に下剤を推奨しているところもあるようです。
水、スポーツドリンクといったクリアウォーターであれば飲水はOKだけど、カフェインはIVFにも着床にも影響するとして、「採卵前はカフェイン禁止」の指示が出るところもあるとか。
採卵前の飲食について
特にお酒が禁止であるとか、刺激物がダメとか、そういったことは無いようです。
アルコールを手術前日に摂取したからと言って、麻酔が効かなくなるということはありませんが、妊活中は全期間において「飲み過ぎないこと」「適量に抑えること」は大切ですね^^
また、お酒や塩分の強いものは夜中に喉が渇くことがあるので、できるだけ控えた方が絶飲食のストレスが軽減するかもしれません。
また妊活中に喫煙されている方はいないと思いますが、タバコは狭心症・血栓症・飲物術後肺炎が起こりやすくなったり、手術の傷が治りにくくなるので、手術前の1ヶ月前から禁煙は必要になります。
採卵前の夫婦生活
夫婦生活について
A. 治療中(採卵、移植、人工授精周期)の夫婦生活については、当日は子宮頚管を操作しているので、基本禁止です。
妊娠中は感染予防の為、コンドームの使用をお勧めし、その他原則はOKですが控えることをお勧めしています。
このように、夫婦生活については問題ないようですが、採卵が近くなってからは控えた方が無難かもしれませんね。
私の病院では夫婦生活の可否について、特に説明はありませんでした。
採卵前に気を付けること
手術当日は化粧・マニキュア・アクセサリー等は基本的に禁止です。
ジェルネイルは落とし、爪は短く切って来院しましょう。
(ちなみに私の場合は薄化粧で行きましたが、とくに怒られませんでした。笑)
また、アレルギーや喘息がある場合は、先に伝えておくこと。
当日の車の運転も控えましょう。
採卵前の検査費用
7月6日(月) 通算で19回めの通院です。
手術前に必要な検査をいくつか行い、自費で 14,860円 。

超音波検査で卵胞が十分な大きさに育っているのを確認し、hCG注射を打ちました💉
これで36時間以内に排卵が起こります。
(結果的にhMG注射は7回打って終わりました。)
検査の内容と結果は、どうだったかというと。。。
体外受精の採卵前の検査
体外受精のロング法を始めて数週間が経ちます。
連日の点鼻薬とホルモン注射で慌ただしく過ぎていった6月と7月。
採卵前にはホルモン検査があります。
体外受精の採卵前検査① エストラジオール(E2)
エストロゲンの血液検査で成分分析される対象の大半は、卵胞ホルモンの一種のエストラジオールになります。
エストロゲンの役割
- 子宮に作用し、排卵が起こさせ、卵胞を大きくする
- 子宮内膜を増殖させて、受精卵のためにフカフカのベッドを作る
- 自律神経を安定させる etc
エストロゲンの構成
- エストロン(E1)主にアンドロステンジオンの代謝によって生成される代謝産物。
- エストラジオール(E2)卵胞の発育状態を確認する為に有効な指標となるホルモン成分。
- エストリオール(E3)妊婦が妊娠後時間の経過と共に数値が上昇するホルモン。妊娠の経過の指標となる。
卵胞 1個あたりの基準値
卵胞期前期 | 11~82pg/ml |
卵胞期後期 | 52~230pg/ml |
排卵期 | 120~390pg/ml |
黄体期 | 9~230pg/ml以下 |
閉経(生理)後 | 22pg/ml以下 |
私は1330pg/mlだったので、この時点で4〜11個くらいは成熟卵があるということでしょうか^^
体外受精の採卵前検査② プロジェステロン
プロジェステロン(黄体ホルモン)は妊娠維持を行う女性ホルモンの一種で、卵巣で脂質(コレステロール)から作られる。
役割
- 子宮内膜に厚みをもたせて維持する
- 妊娠を継続させる
- 基礎体温を上げる(高温期を作る)
- 乳腺を発達させる など
基準値
卵胞期(低体温期) | 0.2~1.5ng/ml |
排卵期(低体温期) | 0.3~1.0ng/ml |
黄体期(高体温期) | 5.0~28.0ng/ml |
エストラジオールとプロジェステロンの値は採卵日前なので、当日を迎えた時にはもう少し高くなると予想されます。
体外受精の採卵前検査③ 感染症の検査
- 梅毒検査
- HBs抗体検査(B型肝炎)
- HIV検査
- HCV検査(C型肝炎)
上記も全てシロで問題なし!
どれも順調ということで、予定通り2日後に採卵することが決定しました。
体外受精の採卵手術日の予約
次に当日の流れの説明を受けます。
手術日の身体のダメージの大きさを考えて、病院によっては夫の同伴が義務付けられていたり、1人での来院禁止の所もありますが、この病院は特にそういった規定はありません。
採卵日の決定が2日前で前もって予定を組むことができず、しかも平日だったので、またしても主人はお休みできませんでした(´;ω;`)
さらに自分も午後から外せないアポがあったので、朝一番の手術となりました。
かなり不安ではあったけど、キャンセルできない仕事だし、仕方ない、何とかなるだろうとタカをくくっておりました。
……が。
何とかなるなんてウソ!
手術のダメージがいかに大きいか分かっていなかったので、当時の私は無茶なスケジュールにしたなあと、今なら思います。

当日には他の予定を入れず、誰か同行者と一緒に来れるように調整してみてくださいね!
後悔先に立たず。。。
私は手術日当日、自分を恨む羽目になりました(´-∀-`;)
体外受精にかかる金額と助成金の話
最後はは採卵の手術費用の確認です。

採卵数によって金額も変わり、私は10個以上の卵が認められたので、上記の右から2番目の金額になり、280,800円。
また、当日の精子検査で基準値以下だと、顕微鏡受精になるので、さらにその分の金額がプラスされるそうです。

こうした高額になる不妊治療には助成金が存在します。
お住いの市町村によって条件が異なりますので、以下の東京を参考にして、詳しくは各自治体の「特定不妊治療費助成」で検索してみてください。
体外受精の助成金が受けられる対象者
- 夫婦の合算の所得額(申請日の前年)が905万円以下
東京都は、平成31年4月1日以降より所得額が730万円以下の条件だったのが、905万円以下に緩和されました。
- 特定不妊治療以外の治療では妊娠の見込みが低いという医師の診断
実際は不妊治療外来に診察に行った時点で、何らかの要因が考えられますから、体外受精や顕微鏡受精に進んだ場合はほぼ全員が対象になると思います。
(タイミング法や人工授精に関しては含まれません。)
- 指定医療機関で特定不妊治療を受ける
1回の治療の初日から終了まで同じ医療機関で同じ治療を受けるということになります。
別機関に移った場合は、また別の1回の治療とカウントされるようですね。
体外受精の助成回数
女性の年齢によって、治療で受けらる回数が変わってきます。
せちがないですが、限られた予算の枠内で、より可能性の高い夫婦に比重を置くための措置になるようです。
- 妻が39歳までの夫婦 ➡ 通算6回
- 妻が40歳以上の夫婦 ➡ 通算3回
- 妻の年令が43歳以上で開始した治療は対象外
初めてこの助成を受けた時の治療開始日時点で計算し、年齢は特定不妊治療費助成事業受診等証明書に記載する治療開始日時点の年齢になります。
39歳までに初めて助成を受けた場合、40歳を超えても通算回数は6回のままで固定されるようです。
43歳以上で開始した治療は全て助成の対象外となることを考えても、39歳までに不妊治療を始めた方が、助成金に関しては最大限活用できることになりますね。
体外受精のステージ
以下がステージごとの治療内容になります。
- ステージA
新鮮胚移植を実施
- ステージB
凍結胚移植を実施
- ステージC
以前に凍結した胚を解凍して胚移植を実施
- ステージD
体調不良等により移植のめどが立たず治療終了
- ステージE
受精できず。または、胚の分割停止、変性、多精子授精などの異常授精等により中止
- ステージF
採卵したが卵が得られない、又は状態のよい卵が得られないため中止
- ステージG
卵胞が発育しない、又は排卵終了のため中止
- ステージH
採卵準備中、体調不良等により治療中止
体外受精の助成金の上限金額
治療1回につきの助成金額と、初めて助成を受ける場合の上限額額(カッコ内)になります。
- ステージA 20万円(30万円)
- ステージB 25万円(30万円)
- ステージC・F 7万5千円
- ステージD・E 15万円(30万円)
採卵準備のための投薬開始から、体外受精・顕微授精1回に至る治療の過程を「1回の治療」とするそうです。
つまり最初の不妊検査期間は含まれないということですね。
不妊検査には1カ月ほどかかる場合があるので、39歳ギリギリに始めるのではなく、前もって計画した方がよさそうです。
また、以前に行った体外受精・顕微授精により作られた受精胚による凍結胚移植も1回とされるそうなので、ほかの自治体で受けた不妊治療なども含めて、さかのぼって考える必要があります。
体外受精の助成申請に必要な書類について
不妊治療費の助成金申請に関しては様々な書類が必要になります。
申請期限は、助成対象となる「1回の不妊治療が終了と医師が判断した日」の年度末です。
申請日は年度末の3月31日消印有効となり、郵便局の消印日になります。
申請期限を過ぎた場合は助成対象とならないので、余裕をもって申請の準備をしましょう。
必要書類 | 記入者/コピー | |
---|---|---|
1 | 特定不妊治療費助成申請書(原本) | 申請者・配偶者が記入/コピー不可 |
2 | 特定不妊治療費助成事業受診等証明書(原本) | 指定医療機関が記入/コピー不可 |
3 | 住民票の写し(原本) | コピー不可 |
4 | 戸籍謄本(原本) | コピー不可 |
5 | 住民税課税(非課税)証明書 住民税額決定通知書 (上記のどちらか) | コピー可 |
6 | 領収書のコピー | 指定医療機関が発行したもの |
7 | 精巣内精子生検採取法等受診等証明書(原本) | 手術を実施した医療機関が記入/コピー不可 |
8 | 上記7にかかわる領収書のコピー | 指定医療機関が発行したもの |
まとめ
- 採卵の前にはホルモン検査と感染症の検査をする
- 採卵日はお仕事はお休みして、パートナーに協力してもらおう!
- 体外受精と顕微鏡受精は特定不妊治療として、条件が合えば助成金を受けられる
採卵後に受精させ、いくつ受精卵になったか等は、後日電話で連絡がくるとのことでした。
当日は手術代と主人の精子くんを持って、ひとりで手術に挑むことになります。
まだ実感はありませんが、もうジタバタできません。
お願いだから、元気な卵がたくさん取れますよーに!(>人<;)
そう願いつつ、今日もお仕事に戻るのでした。