エコー写真を持っている夫婦の写真です。
妊婦健診でわかる、胎児の身長、体重、性別。

お医者さんは、その他に赤ちゃんの何を見ているのか知っていますか?

ついエコー写真に写る赤ちゃんの姿形だけに注目してしまいがちですが、実はとっても大切で、赤ちゃんの状態が色々と良くわかる「凄いもの」だったんです。

謎の記号に囲まれたエコー写真の数値の見方、超音波エコー検査の重要性についてがわかります! 

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経腹超音波検査とは

お腹が大きくなってくると、腹部に直接ジェルを塗って赤ちゃんの様子を見ていくようになります。

腹部エコー検査は先生と会話しながら見られますし、小さいながらも一生懸命に動いている赤ちゃんの姿を間近に見られて感動しますよね。

超音波検査の方法

妊娠初期では経膣超音波検査(内診)オンリーでしたが、妊娠中期(12w前後)に入るとお腹の上からプローブと呼ばれる器具をあて、モニターで確認する経腹超音波検査が始まります。

どちらもプローブから高い周波数の超音波をだし、跳ね返ってきた反射を画像として表示するというものです。


検査内容としては、

  • 胎児
  • 卵膜
  • 臍帯
  • 胎盤
  • 羊水
  • 臓器


などを観察していきます。

胎児の大きさが画面上で測れるのは分かりますが、なぜ実際に量ることのできない胎児体重が分かるのか不思議に思いませんか?


秘密はエコー写真に隠されていました。


胎児の映った写真の横に、小さなアルファベットと数字がありますよね?

そこにすべてが記されていたのです_φ( ̄ー ̄ )


超音波検査の安全性についてはこちら。

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エコー写真の数値の見方

双子の太もものエコー写真です


パッと見てわかるところは、

  • 日付け…DEL
  • 出産予定日…AGE(もしくはGA)
  • 妊娠週数…【○w○d


といったところでしょうか。

それでは見慣れないところを一つ一つ確認してみましょう。

BPD       頭の左右の大きさ
APDTお腹の前後の厚み
TTDお腹の左右の厚み 
AC前後左右から割り出すお腹周り(APDT × TTD)
FL太腿の付け根から膝までの長さ 
EFBW(EFW、FW)胎児の体重


上記の数値を「公式」に当てはめ、推測したものが胎児の推定体重になります。

以下のような複雑な計算式になりますが、自動で計算されモニター上に一瞬で表示されます。

推定体重の計算式
EFW (g) = 1.07 × BPD (cm)3 + 3.42 × APTD (cm) × TTD (cm) × FL (cm) 
EFW (g) = 1.07 × BPD (cm)3 + 0.30 × AC (cm)2 × FL (cm)

EFW  推定胎児体重
BPD     児頭大横径
APTD   躯幹前後径
TTD     躯幹横径
AC       躯幹周囲長
FL     大腿骨長



全妊娠期間中の胎児の体重推移についてはこちらでまとめてあります。


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胎児の体重は正確じゃない?

モニター上の胎児の大きさから推測された体重なので、(当たり前ですが)実際に体重を計っているわけではありません。

よく産まれてみたら聞いていたよりも、大きかった・小さかったという話を聞くのは、各項目の測定値の誤差によるものです。

単純に子宮頸管長を測るだけでも先生によって誤差が生じるわけですから、これだけの数値を掛け合わせて算出される体重に誤差が生じるのは仕方がないかもしれませんね(^_^;)


子宮頸管長についてはこちら。

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医師はエコー検査で胎児のどこを計測、観察しているの?

上記以外にも様々な点を考慮して、発育が順調であるか調べる 出生前胎児検査 にあたるのが、腹部エコーと言えます。

推定体重を算出するのも、妊娠週数から換算する平均と比べて一脱していないかで、胎児の成長が順調であるか確認する大事な目安になるからです。

CLS 頭からお尻までの長さ。身長。足までは体育座りしてる状態なので測れません。
AFI  羊水量。子宮を4分割して、深さを計測し足した数値。多すぎても少なすぎてもダメ。
脳 骨の形成、左脳右脳を仕切るミッドラインが正常か、髄液や血流の確認など。
臓器心臓や血管、肺などのそれぞれの臓器の異常がないか。
胎盤形、大きさ、血流、位置。子宮口近くに付着する低位胎盤、前置胎盤か20w以降判断。
臍帯2本の動脈と1本の精脈の構造、血流、位置。胎盤の端や卵膜に付着してないか。



妊婦健診の様子についてはこちら。


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なぜ超音波エコー検査を行うの? 

妊娠24w以降、2週間毎(妊婦健診ごと)に行われることの多いこの検査で、どこかに異常があることがわかれば、早いうちに原因を特定し胎児のうちに対処ができます。

例えば、羊水が少なければ胎児の尿排出に問題があるかもしれないし、多ければ羊水を飲み込めておらず、肺に問題があるかもしれません。

また胎児だけでなく、妊婦の感染症や高血圧、喫煙など母体の健康状態が原因で、胎児の成長不全が起こっている可能性もあります。


妊婦のトラブルで早産になる確率が上がる事実についてはこちら。


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カラードップラー法とは?

超音波検査技術も胎児治療も日々進化しています。

これまでの超音波検査では心臓などの臓器の細かい血流を見ることができませんでしたが、カラードップラー検査を用いることによって、臓器の機能が精密・正確に診断できるようになりました。


超音波で精密検査を行うことによって、内蔵の異常や血流の速さ、 心臓の疾患や動脈硬化など、生まれる前から赤ちゃんの異常を発見できます。

場合によっては設備の整っている病院に転院したり、出産する時期を調節することができ、また疾患があった場合に、出生後どのような手術を行えばいいか生まれる前に検討しておくことができるのです。


流産と早産の予防
についてはこちら。



どんなものかというと、エコーの時と同じモニター画面上に、胎児の生体内血行動態に色を付けて、リアルタイムで表示する方法になります。

広範囲に渡る血流情報を色として表示するため、視覚的に捕らえやすいのが利点と言えます。

プローブに対して向かってくるなら赤系統、離れていくなら青系統の色で表示され、臍帯や心臓などの血流は正常かどうかが分かるというわけです。


実際に私も妊婦健診の時にカラードップラー検査をして、素人目にはモニターを見ても全くわかりませんでしたが、先生には「血流も問題なしで、2人ともめっちゃ元気ですよ~」と褒めて? もらえました。


双子のハイリスク出産についてはこちら。

へその緒の異常がエコー検査で判明!

出生前胎児検査では、いかに早い段階で問題を見つけられるかが重要です。

そうすることで出産に向けて対策が取れるからですね。


実は私も妊娠19wの腹部エコー検査で臍帯付着異常が見つかりました。

おとうとくんの臍帯の位置が中央ではなく、端っこについているそうです。


臍帯付着異常についてはこちら。



残念な結果ではありますが、分娩時まで気がつかなかった場合の危険性を考えれば、逆に早期に見つかって良かったと思うべきなのでしょう。

このように妊婦健診の超音波検査では母子の健康状態を細かくチェックできるものになっています。

モニターで胎児の様子が見られて、エコー写真がもらえることに満足して終わっているかもしれませんが、(それはそれで幸せですけど)とっても重要なものだということが分かりますね。


双子はただでさえ様々なリスクが高いので、心配の種は尽きません。。。


早産や低体重のリスクについてはこちら。


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  まとめ

  • エコー写真には胎児の各種部位の成長と推定体重が記されている
  • 超音波エコー検査は、胎児の異常を早期発見することで救命率を上げる大事な検査です
  • 実際に私も臍帯の異常を発見されております

 

というおはなしでした。


妊婦健診で順調ですよーと言われていた間は、特に疑問も持たずに、エコー写真だけ大事に持って帰って喜んでいました(^^;;

でも実はとても意味のある大事な検査だったのです。

特にカラードップラー検査は比較的新しい診断方法で、医師の主観が入る検査でもあるので、個人の技術や観察眼が問われます。

病院の華美な演出や過剰なサービスに目が行きがちですが、赤ちゃんのためにも、キチンと診断のできる先生を選びたいところですね^^

このようにエコー写真にはいろいろな情報が詰まっているので、改めて御家族の方と一緒に見直してみてください!

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