高齢で双子妊娠というハイリスク出産の私。
自分がその立場になるまで、双子がなぜハイリスクと呼ばれるのか分かりませんでしたが、調べれば調べるほど、双子妊娠が医学的に「異常妊娠」「ハイリスク出産」とされる所以がわかっていきます。
そこで今回は、双子の早産の確率、双子の種類、双子妊娠で考えられるリスクをまとめました。
また、双子妊娠で臍帯付着部異常と診断された私の場合や、双子の胎児の成長に差が出てきた場合、どういった処置をとられるのかも調べました。
多胎妊娠で不安に過ごしている方の参考になればと思います。
目次
双子妊娠における早産の確率
妊娠37w前後で分娩となることが多く、妊娠40wの予定日前後で分娩となることは稀です。
90%以上は妊娠38wの週まで分娩となります。(予定の帝王切開の場合も含む)
そして妊娠36w以下の早産は、約半数の45~50%となります。
また、肺が完成しておらず、NICSで人工呼吸器が必要となる早産(妊娠32w未満)は、約11%。
このように単胎妊娠に比べて、早産の確率はぐんと高くなるので、妊娠初期から無理をしないことが一番大切になります。
早産の低体重のリスクはこちら。
双子妊娠8ヶ月には単胎妊娠の臨月の大きさに
妊娠28~30wで多胎妊娠の子宮の大きさは、臨月とほぼ同じ大きさになります。
単胎妊娠では3000g前後の赤ちゃんを産むわけですから、双子の合計体重が3000gを超えた時点で、いつ陣痛がきてもおかしくない状態と言えます。
実際は胎盤も羊水も二人分あるわけですから、もっと早い場合も考えられます。
妊娠22~27wの双子妊娠の様子についてはこちら。
双子妊娠 後期のリスク
- 早産
- 前期破水
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠中毒症
- 胎児発育遅延 など
妊娠30wになると、赤ちゃんの発育が伸び悩んでくるなど、上記のようなリスクが高くなります。
「双子妊娠に安定期はない」というのはこのようなところからきていると言えます。
双子妊娠のリスクはこちら。
一卵性双生児と二卵性双生児の違い
単胎妊娠に比べて双子妊娠は、早産や子宮内で胎児の発育不全などがおこりやすく、周産期死亡率も通常の妊娠に比べて5~7倍高いといわれています。
本来は単胎に対応している子宮が、双胎という「異常」な状態にアンバランスになってしまうことがあげられます。
そのリスクが一番高いとされるのが、一卵性双生児の1絨毛膜1羊膜性双胎。
全てを双子で分け合っている状態です。
逆に一番リスクが低いのは、二卵性双生児の2絨毛膜2羊膜性双胎。
うちの双子はこれに当たります。
双胎妊娠の種類① 一卵性双生児
一卵性の双子も受精は基本的に同じで、一つの卵子に一匹の精子から受精卵が作られます。
一卵性双胎児は遺伝学的にまったく同じとされ、同じ性別になります。(うりふたつ!)
- 2絨毛膜2羊膜性双胎【DD】… 約25%
- 1絨毛膜2羊膜性双胎【MD】… 約60~80%
- 1絨毛膜1羊膜性双胎【MM】… 約0.5~3%
受精卵が細胞分裂を繰り返している最中に、二つに分裂してしまったのが一卵性の双子になります。
そして一卵性双胎児は受精卵の「分離の時期」によって、胎児を分けている卵膜に違いがあります。
- 受精直後~3日以内に受精卵が分離(または二卵性双胎児)
- 受精後3日~8日以内に受精卵が分離
- 受精後8日~13 日以内に受精卵が分離
A.とB.の胎児は個別の卵膜に包まれていますが、C.はひとつの卵膜で双子が成長していきます。
一絨毛膜なら、確実に一卵性ですが、A.のように受精卵の分離時期が早いと、一卵性でも二絨毛膜性になり、それだけでは卵性の判断はできません。
どのタイプかは、最初のころの妊婦健診で、A.~C.のどのタイプか超音波検査によって診断されます。
妊娠初期(10週前後)に膜性診断をきちんと行うことが大切になります。
双子妊娠の種類② 二卵性双生児
二卵性双胎児は遺伝的に「きょうだい」となり、別々の遺伝子を持っています。
胎盤もふたつあり、二卵性双胎児は必ず二卵性双胎ではそれぞれの赤ちゃんが2枚ずつ膜を持つので、必ず2絨毛膜2羊膜性双胎【DD】になります。
性別は同性のことも異性のこともあります。
二絨毛膜は【二卵性双生児の全て】と【一卵性双生児の一部(A.タイプ)】にあります。
二卵性双胎児かの診断は、双子が異性であれば二卵性ですが、同性のときは産まれるまで分かりません。
生まれてから、血液型や外見の特徴が違えば、二卵性双胎児となります。
不妊治療の場合
私の場合は不妊治療で卵をふたつ戻していたので、卵膜検査の前から二卵性だと思っていました。
結果としてそうだったわけですが、卵をふたつ戻したから確実に二卵性かというと、実はそうでもないそうです。
不妊治療による双胎妊娠では二卵性のことが多いのは確かですが、一卵性の双胎妊娠も少なからず存在します。
双胎妊娠を避けるために受精卵をひとつ戻したのに「双子」になったり、ふたつ戻したのに「三つ子」になったりということもあるそうなので、こればかりは神のみぞ知る! といった感じでしょうか^^
双子妊娠についてはこちら。
双子妊娠で起こる胎児のリスク
双胎間輸血症候群(TTTS)
1絨毛膜性双胎妊娠の10~20%に発症。
1絨毛膜双胎は一つの胎盤を共有しており、必ず数本の吻合血管(つながっている血管)が存在します。
その共有している血液の量に何らかの原因で違いが生じて、一方の胎児に血液が多く・一方の胎児に血液が少なく流れ、最終的にバランスが崩れて全体として一方通行になった状態のことを指します。
双胎間輸血症候群(TTTS)はどちらか一人の赤ちゃんの病気ではなく、どちらの赤ちゃんも状態が悪くなることが特徴。
妊娠16~18w頃から発症する場合は、重症化することが予想されます。
診断基準
- 1絨毛膜性双胎児
- 一方が羊水量減少・膀胱が小さい。
- 一方が羊水量増加・膀胱が大きい。
子宮内胎児発育不全
双子妊娠の15~30%に発症。
特に妊娠30w以降に発症し、両方の胎児ではなく、どちらか一方に発育不全が見られることが多い。
原因
- 胎盤の機能不全
- 臍帯の付着部異常
- 胎児の栄養障害
胎児の不均衡な発育
発育差があっても、正常範囲の羊水量であり、血流異常が無く、どちらの赤ちゃんもそれなりに発育していけば、そこまで大きな問題となることはありません。
しかし、胎児の体重差が15~25%まで広がってしまうと、 TTTSではない(羊水過多・過少を認めない)が、なりかけていると判断され、より慎重に経過観察をすることになります。
特に1絨毛膜性双胎妊娠が起こす場合が高いといわれています。
原因
- 先天的な異常(奇形や染色体の異常)
- 胎盤の大きさに差がある
- 臍帯の付着部異常
- 双胎間輸血症候群
双子妊娠の異常その他
fa-question-circleStuck twin
2羊膜性双胎妊娠で羊水量に大きな差が出る状態。
羊水量が少ないほうが子宮の壁に押し付けられて、顔や身体に変形や発育不全を起こす。
fa-question-circle臍帯相互巻絡
1絨毛膜1羊膜性双胎妊娠(C.)で、双子の臍帯(へその緒)が絡まって血液の流れが遮断されてしまう状態。
妊娠中のリスクについてはこちら。
双子妊娠で臍帯付着異常の場合に考えられること
妊娠19wで臍帯付着部異常(辺縁付着)を宣告された私。
今後、双子の成長に差が出てきてしまう可能性があります。
その場合は、これ以上の成長不全は危険と判断された時点で、順調に育っている子の方も一緒に強制的に分娩することになります。
早産のリスクについては以下にまとめた通りですが、その早産のリスクよりも、成長の遅れがみられる子の生存の可能性を上げることに重きを置くのです。
流産や早産についてはこちら。
1児が胎内死亡した場合のリスク
時には胎児2児のうち1児が突然死亡してしまうこともあります。
その場合、まだ生存して頑張っている胎児の「出産後の生存率」は、1絨毛膜双胎で約48%、2絨毛膜双胎妊娠では約16%とされ、生存児の連鎖的な死亡を含めて大変厳しいものになります。
そうならないためにも、お医者さんは双子の両児を救うために、厳しい判断をされることもあります。
体格の差が開くことによって、成長不良の子とに合わせて順調な子も早産の危険にさらせれるのは不安ですが、それ以上に2人とも生きていてくれることが何より優先されるべきですよね。
双子妊娠の臨月までの様子はこちら。
双子妊娠5ヶ月めでの妊婦検診の結果
所見での異常はなしでした!
臍帯付着部異常で双子が成長不全になり、成長に差が出ていないかが一番不安でしたが、同じくらいの大きさで一安心ですε-(´∀`; )
ただし今後の経過で差が大きくなっていく様であれば、再度予定されている出産前の管理入院が早まる可能性はあると言われました。
不安で仕方ない顔をしていたのか、先生には「500gあれば、うちの病院なら助けられるから安心して! このままいけばもう少しだね」と励ましてもらい、その心強さに思わず笑みがこぼれました。
おそらく無事に生まれるその日まで不安は消えることはありません。
でも毎日ただ落ち込んで過ごすよりは、現代医学の進歩を信じて、あまり弱気にならずに双子を信じていけたらなーと思います^^
双子妊娠中の過ごし方のついてはこちら。
まとめ
- 双子妊娠は早産の確率が高く、妊娠中に様々なトラブルがあり、特に1絨毛膜性双胎児のリスクは高い
- 臍帯付着部異常の場合は、胎児の発育不全がないか、特に気を付けて経過を見る必要がある
- 妊娠5ヶ月めの現段階での双子の成長の差はみられない
というおはなしでした。
私の場合は、初産・高齢・双子・子宮頸管無力症による切迫流早産・臍帯付着部異常というコンボのため、妊娠中に安心できる要素がひとつもありません(;´・ω・)
唯一良かったのは入院した病院が、MFICU(母体胎児集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)の併設があり、ハイリスク出産の重症事例にも対応していているので、万が一の時にはその場で対応してもらえる点でしょうか。
お世話になることなく、無事に退院できることを祈るばかりです。