男性は「不妊原因は女性にしかない」と誤解している方が多いのか、不妊専門の病院に行って検査を受ける事を嫌がる男性も多いそうです。
でも不妊治療を始めると夫婦で決めたならば、しっかりと旦那さまにも参加してほしいですよね。
そこで今回は、男性不妊の検査方法や、検査結果の見方、検査結果から分かる精子の障害、男性不妊を解消するための対策をまとめました。
そして実際に、主人の検査結果がどうだったのかと、夫婦で不妊治療の病院を受診した感想などを共有します。
男性不妊について知りたい、不妊治療を夫婦で頑張りたい、という方にお勧めな記事になります!
病院で行う男性の不妊検査とは
不妊の男性側の検査は、精液検査と泌尿器科的な検査に分けられます。
精液検査は、受診されたほとんどの方が受ける一般的な検査。
血液検査・泌尿器科的な検査は、精液検査で疾患が疑われる場合などに行われます。
不妊検査の精液は病院で採取するもの?
病院の個室で行う場合と、自宅で採取し、2時間以内に運ぶ方法があります。
自宅で採精したものを2時間以内に検査すれば、ほぼ病院で採取した場合と同様の結果が得られることが多いと言われています。
午前中に予約をして、朝に採取したものを病院まで届けるのも可能なのだそう。
そこで私たちは、私が朝一番に予約し、主人が出勤前に自宅で採取したものを検査してもらうことになりました。
男性の不妊検査① 精液検査
精液検査は、男性不妊検査の中で、全員が最初に受けるものになります。
私たちが通う病院は、WHOの定める数値から独自に設定したもので、WHOの下限の方の基準値を参考にしているそうです。
- 精液検査でWHOの正常下限値を満たすのは約8割
- 下限値を満たさない約2割の男性は、自然妊娠の可能性が低くなる
つまりこの検査は、精子の正常・異常を示すものではなく、下限基準値より下回ると 妊娠率が基準値内に比べると低下するという事がわかるものになります。
精液検査結果の見方
精液検査は、専用の容器に直接採精した精液を顕微鏡下や自動分析装置を用いて観察します。
また、精子正常形態率は精子に特殊染色を施した後に1000倍で拡大し、精子の頭部や尾部などをチェックします。
そして、精子運動率、運動速度、直進性などを詳細に分析し、以下のWHO基準と照らし合わせて評価します。
WHOの定める精液検査の下限基準
精液量 | 1.5ml以上 |
精子濃度 | 1500万/ml以上 |
総精子数 | 3900万/射精以上 |
前進運動率 | 32%以上 |
総運動率 | 40%以上 |
正常精子形態率 | 4%以上 |
白血球数 | 100万/ml未満 |
総運動精子数
総運動精子数というのが、総合的に判断された数値に当たります。
「精液量×濃度×運動率=総運動精子数」の式で求めます。
正常形態率
精子は受精の際に、卵子の殻を突き破って卵子内に侵入するために、精子の先端の膜がはずれて卵子に到達できる状態に形態を変化させます。
この現象を先体反応といって、精子が卵子に侵入するために必要な変化ですが、奇形精子が多い場合には、この反応を正しく起こすことができずに受精が障害されることがあります。
男性の不妊検査② 泌尿器科的検査
精液検査で異常を認めた場合に行います。
診察と視診
- 不妊症に関連する病気の既往の有無
- 勃起や射精などの現在の性生活の状況を確認
- 精巣(こう丸)などの外陰部の診察
- 精巣サイズの測定
- 精索静脈瘤の有無 など
男性の不妊検査③ 内分泌検査
精液異常の原因を検索することができ、勃起障害や射精障害がある場合にも必要になる検査です。
- FSH(卵胞刺激ホルモン)
- LH(黄体刺激ホルモン)
- テストステロン(男性ホルモン)
- プロラクチン
それぞれのホルモンの働きは以下になります。
- 脳下垂体から分泌されるホルモン
- FSHは、精巣を刺激して精巣で精子を作るよう促す作用がある
- LHは、精巣を刺激して男性ホルモンの分泌を促す作用がある
テストステロン
- 精巣で分泌されるホルモン
- 筋肉の量と強度を保ち、造血作用を持つ
- 男性の性行動や性機能促す作用がある
LH、FSH、テストステロンがすべて低下している場合は、ホルモン不足にあたり、ホルモン治療が行われます。
また、FSHが高くなっている場合は、精子を作る機能が低下している状態ということがわかります。
男性の不妊検査④ 染色体・遺伝子検査
精子数が極端に少なかったり、無精子症の場合に行います。
精子形成障害の原因にもなる、染色体の軽微な変化や遺伝子異常を調べる検査で、精子の染色体検査は、採血での血液検査になります。
不妊症ではない男性に比べて、男性不妊の場合は精子の染色体異常が多くなっており、染色体異常は男性不妊の原因になるのです。
その他の男性の不妊検査
- 精子の機能を調べる検査
- 精嚢や射精管の形態を調べるMRI
- 精巣での精子形成の状態を詳しく調べる精巣生険
- 勃起能力を調べる検査 など
男性不妊の原因をチェック!
男性不妊になる背景には、どのような理由があるのでしょうか?
男性不妊の原因と対策をまとめました。
男性不妊① 先天性の不妊
先天性の男性不妊の原因は、様々な遺伝的要因や発育段階で受けた影響等で、性機能不全になるものです。
- 勃起障害(ED)
- 早漏 ・遅漏
- オルガスムス障害 etc
このように「性機能不全」とは、性的欲求や性的興奮とその最高潮などが、減退・欠如する状態をいいます。
この中でもEDは、ED専用の治療薬で8割は改善すると言われています。
不妊治療をきっかけにEDになってしまった場合など、ストレスによる勃起障害も多いそうです。
早期に相談し、服薬することで治ることもあるので、迷わず病院を受診しましょう。
男性不妊② 後天性の不妊
主に生活習慣が原因のものになります。
- ストレス
- アルコール
- 喫煙
- 肥満
- 糖尿病
- 睡眠不足
- 運動不足
- 長時間の座位
その他にも、精巣の損傷による機能障害など、様々な要因が考えられます。
まずは、上記のような悪い生活環境を変えていくことが男性不妊の対策に有効です。
精子の質の改善についてもっと詳しく知りたい方はこちら。
男性不妊も加齢は関係ある!
- 35歳以上では下限値を満たしたとしても、精子の質が低下している
- 精子の質が低下している場合、受精能力や胚を育てる力が低くなる
30歳代と比較すると50歳代では、以下の値が低下すると報告されています。
- 精液量 3~22%低下
- 精子運動率 3~37%低下
- 精子正常形態率 4~18%低下
つまり、運動精子が存在しても、その精子の機能が低下していれば、生殖補助技術(体外受精や顕微授精)の受精率や妊娠率も低下する可能性があるということです。
父親の高齢問題についてはこちら。
精液検査の結果から分かる男性不妊の症状
精液検査で、このような正常形態率や総運動精子数が基準値より多く下回ると、男性でもAMHを始めとしたホルモン検査や尿検査、染色体検査などを行っていきます。
精巣での精子を作る機能が低下している状態とは
男性不妊① 乏精子症
- 精子の濃度が15×10⁶/ml以下
- 精液中に精子を認めるが、数が少ない症状
- 重症例は顕微授精が必要
男性不妊② 精子無力症
- 精子運動率が40%以下
- または高速に直進する精子の率が32%以下
- 精子数は正常であるが、精子の運動率が悪い症状
- 重症例は顕微授精を行う
男性不妊③ 精子奇形症
- 正常形態精子が4%以下
- 元々精液には奇形精子が多く含まれる
- 正常精子が5%未満は顕微授精が必要
男性不妊④ 無精子症
- 射出精液中に精子が全くない
- 造精機能障害の中でも重い症状
無精子症の治療とは
閉塞性無精子症(精路閉塞)の場合
顕微鏡下精路再建術
精管閉塞部を手術用顕微鏡で、精管同士をつなぎ直すもしくは、精管と精巣上体をつなぐ手術
射精管切開術
射精管の閉塞部位を切除スコープで切開し、詰まったところを開通させる手術
精管欠損の場合
精巣から直接組織を採取して精子を探す方法で、精巣組織のごく一部を採取して精子を回収するもの
MDTESE
男性不妊の精液検査、主人の結果は?
主人の精液検査は、正常形態率(クルーガーテスト)は基準値内。
- 量
- 濃度
- 総運動精子数
しかし、追加検査が必要なほどではなく、ほとんど基準値に近いということで問題なしでした!
やはり検査の為に。。。となると、誰でも緊張しますよね(;´∀`)
というのも、精液検査は環境要因にかなり影響を受けるようなのです。
主人も体外受精の前に行った検査では全てクリアしているので、行うタイミングによって結果に相違が出るのは確かなようです。
男性の精液検査はストレスでも変動する!
女性のホルモン検査にも言えることですが、男性の場合は特にストレスや疲労などで精液に影響して、検査結果の数値がかなり変わってくると言われています。
また、精液検査は最初の精液をこぼしてしまうと、結果が悪くなりがちです。
最初に射精された精液の方に多くの精子が含まれるからです。
もし一度の検査で基準値外になったとしても、時間をあけて、体調が万全の時に再度検査をしてみましょう。場合によってはセカンドオピニオンもアリだと思います。
検査前の禁欲期間について
精液検査前の禁欲期間は3~4日間で、その間の夫婦生活などは控えることになります。
それ以上に長く禁欲したからと言って、いい結果にはならないので注意してくださいね。
それどころか1週間~10日以上禁欲をすると、酸化して精子の質が悪くなることもあるそうなので、定期的に排出する機会をもつことが「良質な精子を保つ秘訣」なのだそうです。
フーナーテストについてはこちら。
男性不妊の対策でできること
不妊検査までに精子の質を高めるにはどうすればいいのでしょうか。
精液の状態には、精子を製造に要する約3カ月の間の体調やストレスなどの影響も出るそうです。
良くも悪くも、環境や食生活に左右されやすい精子くん。ストレスフルで多忙な時期や睡眠不足が重なると、検査結果も変わってきます。
そのため妊活中には、生活習慣や栄養面を整えていく必要があります。
妊活を始めたら夫婦で生活改善!
健康的な生活は、めぐりめぐって良い精子を育てることにもつながります。
- 適度な運動
- バランスの良い食事
- 質のいい睡眠
規則正しい生活を心がけることで、卵子や子宮環境の改善にもなるので、夫婦で協力していけたらいいですね^^
栄養面に関しては、意識的に男性向けの妊活サプリなどを摂っておくといいかもしれません。
男性不妊にはセレン、亜鉛、ビタミンE、アルギニンなどが効果的だそうです。特に妊活をする35歳以上の男性は積極的に摂取しましょう。
生活習慣の改善やサプリの習慣も、付け焼刃では意味がないので、効果を感じるには最低でも3~4ヶ月は続けることが目標になります。
生活改善についてはこちら。
精液検査の前に自宅で検査
どうしても病院に抵抗がある…
そんな場合は、まずは郵送で精子検査を受けられる男性不妊キットはいかかでしょうか。
2回分の精液検査がついているので、サプリと併用することで、前後の精子改善の様子も体感できます。
以下は、男性妊活の足掛かりに始めてみるのにオススメのサプリセットになります。
男性の不妊検査を自宅でできるキットつき!
- 必須ミネラル亜鉛を標準摂取量8.8mg
- 抗酸化作用のあるカネカ製還元型コエンザイムQ10 152.5mg
- 精液の素となる大豆抽出成分ソイポリア100mg
- 8種のビタミン
- 有機マカ など
精液検査の精度もばっちり!
- 自宅で採精。ポストへ投函(検体発送料はもちろん無料)
- 結果はメールへ送信(PC、スマホ、携帯等)
- 最短で2~3日内、通常5日で結果がわかる!
郵送精子検査サービスを初めて採用した精子専門検査機関である株式会社OESで行うそうです。
これまで1万件以上の検査実績があり、極めて信頼性の高い検査機関と言われています。
➡自分でも精液の不妊度チェックをしたい方はこちら!
アルギニンで精子の改善!
アルギニンは天然に存在するアミノ酸のひとつで、成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。
成長ホルモンは身体の抵抗力を高め、筋肉を増強する働きがあります。
- 血管を広げ血流を改善する
- 精子数を増やす
- 精子の運動率を改善する
- ED改善 など
アルギニンやビタミンなどバランス良く配合
こちらは1日でアルギニンを2,000mg も摂れておススメです。
また、ビタミンEやL-シトルリンも男性不妊に効果的です。
男性機能の維持・増強という観点からは、ビタミンEが必要だ。医師で作家の左門新氏が言う。
「ビタミンEが不足すると、勃起力が減退します。(中略)
L-シトルリンは、アミノ酸の一種です。肝機能の改善や疲労回復に効果があると言われており、滋養強壮向けサプリとして使われています。
ペニスの血行を増大させて、海綿体の膨張率を上げる働きもあります。(中略)
」
【バイオレットドラゴン】 は以下の原材料を、それぞれの成分が引き立て合うベストな量で配合しています。
ビタミンEは女性にもオススメ
- 子宮内膜や精巣の血流改善
- 全身の血流が良くなり、冷えが改善
- 男性ホルモン・女性ホルモンの生成を助ける
- 抗酸化作用で活性酸素から卵子や精子を守る働き
男性不妊の説明を病院で受けた感想
初診と不妊検査の1回めは一人でしたが、通院3回めの今日は主人と一緒に不妊治療全般の説明を看護婦さんから受けました。
面談ルームに呼ばれると、最初にたくさんの資料を渡さ、前途のような不妊の原因、不妊検査の内容や方法、不妊治療の種類と概要、それぞれにかかる費用などを、絵付きの資料を見ながら細かく聞くことが出来ました。
誰にでもわかるように噛み砕いた説明だったので、わかりやすかったと思います。
不妊原因の男性因子の割合
不妊と聞くと、日本では主に女性に問題があると思う方が多いですよね。
でも実際の割合でいうと、男女ともに原因がある場合もあるので、一概に女性ばかりの原因とはいえないのです。
- 女性だけに原因があるのは、41%
- 男性だけに原因があるのは、24%
- 男女ともに原因があるのは、24%
- 11%は原因不明
②と③を合わせると 男性側「にも」原因があるケースは48% となります。
①の女性側「だけ」は、41%です。
つまり不妊の半数弱の原因には、男性の側にも何らかの異常があると考えられ、このような場合を男性不妊と言います。
不妊の原因不明とは?
ただし一通り検査を行っても、女性側にも男性側にも原因が見つからない場合もあります。
それは「不妊症ではない」のではなく、行われた不妊検査の項目で異常はない、ということ。
つまり不妊の原因がないのではなく、「基本的不妊検査で見つからない ‘どこか‘ に原因がある」と考えるべきだそうです。
不妊原因についてはこちら。
病院で一緒に男性不妊の説明を聞いた感想
主人も私も知らないことが多かった不妊治療。
特に不妊症の男性因子については、妻からは話しづらい面もありますよね。
男性にとってみれば知りたくもないかもしれない検査ですが、不妊の原因の半数は男性要因もかかわってくるのは確かなことです。
夫婦で正しい知識を得ることで、自宅に帰った後にも、前向きな話し合いを持つことができました。
また不妊治療を進めていく感にも、治療の方向性を考える時にも知識の共有があると、とてもスムーズにいくので、ギスギスすることもありません。
まだきちんと話したことない方は、一度話を振ってみることをオススメします!
出産にも育児にも言えることですが、どうしても旦那さまの当事者意識が低くなりがち。
男性だから仕方がないのではなく、自分の人生を左右する出来事なのですから、当事者意識を持ってしっかりと理解し、夫婦で協力をするべきだなーと思いました。
不妊治療の近道についてはこちら。
まとめ
- 男性の不妊検査には、精液検査と泌尿器科的な検査があり、まずは精液検査から始める
- 精液検査は、その時の体調で左右されるので、検査結果が悪かった時は落ち込む前に再検査を受けてみよう
- 不妊の原因は男女ともにあり、それによってこれから先の受ける治療法が変わってくるので、男性不妊の検査は超大事!
というおはなしでした。
年齢的な影響は、卵子の老化ほどは直接的ではないので、精子の改善は努力次第の部分もあるようです。
例え検査結果が悪かったとしても、後天的な理由であれば、生活環境を整え、サプリで補強することによって改善していく可能性は大いにあります。
また、男性因子の不妊や精液検査の説明など、妻から聞かされるよりもプロからの言葉の方が素直に聞ける場合もあると思います。
ぜひ早い段階で旦那さまと一緒に受診して、対策をとってくださいね^^