手術の麻酔ではないにしろ、歯医者で麻酔を受けたことがある方は多いのではないでしょうか。
しかし妊婦となると、麻酔を避ける傾向にあります。
私も歯の妊婦健診を受けた時、特に何も聞かれないまま「麻酔を避けてできる範囲」の仮処置で終えました。
今回、子宮頸管無力症で子宮頸管縫縮術(マクドナルド・シロッカー)を受けることになり、麻酔の説明も受けました。
でも手術となると、歯医者と比べ物にならない位の麻酔の量になると思うのですが、妊婦に麻酔って危険はないのでしょうか?
マクドナルド・シロッカー手術での麻酔の種類、安全性、副作用を調べました。
目次
麻酔の危険性について
今回は下半身のみの局部麻酔という事ですが、歯医者以外で麻酔受けたことがない私は、背骨に注射を打つことを想像するだけでゾッとします^^;
麻酔で思い出す記憶
実は生前、祖母が脳の癌で手術を何回か受けていたのですが。
「今回が年齢・体力的にも最後だ」と言われていた手術の際、あってはならない麻酔のミスで半身不随になってしまったんです。
当時20歳前だった私は、たった一度の麻酔や手術で、その人の人生を大きく変えてしまう恐ろしいものなんだと感じました。
それは特殊な例だとしても、妊娠すると麻酔は避けた方が良いのではないでしょうか?
麻酔のことを知ろう
手術や処置は、痛みや出血、その他にも術後の回復も含めて、多くのストレスを伴います。
麻酔は手術の安全と手術のストレスから患者を守り、全身の状態を良好に維持することを最大の目的とした医療行為です。
麻酔科医とは
麻酔科医は、手術室に入室してから退室するまでそばに付き添って、患者の安全を守ります。
手術後も、麻酔から醒めた後の痛みの軽減、循環・呼吸状態の安定を図り、問題があれば対処します。
麻酔の種類
全身麻酔と局所麻酔があり、それぞれ単独で行う場合と、複数の方法を組み合わせて行う場合があります。
全身麻酔
全身麻酔は、意識をなくすことで痛みとストレスを失くし、身体を動かなくするものです。
口と鼻をおおうマスクで酸素を吸入し、次に点滴から麻酔薬を注入して、意識がなくなると、マスクで人工呼吸を始めます。
局部麻酔
脊髄の近くに局所麻酔薬を注入し、手術や処置で生じる痛みの伝わる経路を遮断するものです。
脊髄くも膜下麻酔
主に下腹部や足などの下半身に使用。
背中から針を刺して、くも膜下腔の脳脊髄液内に局所麻酔薬を注入する。
硬膜外麻酔
手術部位に合わせて、脊髄が包まれている硬膜の外側にある、硬膜外腔に局所麻酔薬を注入する。
マクドナルド手術やシロッカー手術での麻酔
今回は「脊髄くも膜下麻酔」と呼ばれる局部麻酔の一種。
腰椎麻酔の方が聞き馴染みがあるかもしれません。
マクドナルド(シロッカー)手術での麻酔の流れ
手術台の上でネコのように出来るだけ丸くなり、まず痛み止めの注射を打ってから、実際の麻酔の注射を行います。
なぜ痛み止めを先にするかと言うと、脊髄の注射はめっちゃ痛いから。
今からおそろし過ぎるー!(ノД`)・゜・。
麻酔が効いてくると下半身がしびれて動かなくなり、4〜6時間ほど続きます。
子宮頸管縫縮手術は難しい手術ではないそうなので、麻酔が切れる前には余裕で終わるようですね^ ^
術後は半日くらい麻酔が残っていて、しばらく足のしびれがあり、頭痛が起こる事もあるそうです。
下半身の感覚は数時間後から少しずつ戻っていきます。
マクドナルド(シロッカー)手術後の抜糸について
正期産に入って、もういつでも産んで大丈夫!という段階に来たら抜糸します。
その場合は麻酔なしで行うことが多いようです。
また、緊急帝王切開になった場合は、手術時に合わせて抜糸をする場合もあるようです。
特に双子妊娠の場合は、臨月には管理入院になっているので、計画的に帝王切開になる場合が多いと思います。
私も双子妊娠で出産まで綱渡りだと思うので、おそらくはその時まで抜糸しない事になると思われます。
マクドナルド(シロッカー)手術を麻酔なしでやる?!
昔は、マクドナルド手術やシロッカー手術を「麻酔なし」で行う場合もあったようですΣ(゚д゚lll)
7~10年くらい前(2010年前後)の情報では、「麻酔なしでやると言われました」「麻酔なしでやりました」といった妊婦さんの体験談がネットに漂っていました。
絶対痛いやつ。。。( ̄ロ ̄lll)
赤ちゃんへの影響を考えてなのでしょうか?
医学関係者の情報は得られなかったので、現在では下半身麻酔で行う子宮頸管縫縮術(マクドナルド手術・シロッカー手術)がスタンダードなのだとは思いますが。。。(そう信じたい)
もし万が一、担当医からそのように言われた場合は、麻酔を希望するか病院を変えるかした方がいいのではと思います(;´Д`)
痛みを我慢するだけで、いきんじゃって子宮頸管に良くない気がします。
妊娠中に行う麻酔の安全性
(概要)
通常の手術の際に偶発症に起こった死亡は、10万例に対し、67.8例。
その中で麻酔が原因による死亡は、10万例に対し、わずか1例。
※1999〜2003年に麻酔科専門医が勤務する病院で行われた手術を日本麻酔科調査学会が調査したデータ
つまり、手術中の死亡事故の原因に麻酔が上がるのは非常にまれだということですね。
そういった意味では、麻酔は安全性の高い医療行為と言えるでしょう。
妊娠中の麻酔は大丈夫?
では妊娠中はというと。
レントゲンの放射線と一緒で、手術中に使用される麻酔の量くらいでは問題はありません。
妊娠に気がついていない初期に手術を受けていたとしても、胎児に奇形や流産といった影響は無いとされています。
ただし妊娠超初期の器官形成期(4w〜10w)は自然流産の可能性がやや上がるので、全身麻酔は避け、できるだけ後期に行うのが望ましい様です。
妊娠中のレントゲン検査についてはこちら。
麻酔の代表的な副作用
麻酔の副作用① 吐き気・嘔吐
吐き気を少しでも予防するために、手術前日24:00から絶飲食とします。
手術の後気分不良が起こることがあります。
麻酔の副作用② 頭痛
脊椎麻酔の後で頭痛がすることがあります。
ほとんどの場合、安静にしていれば徐々に楽になります。
麻酔の副作用③ 寒気・発熱
麻酔の影響で、体温の調節能力が一時的に鈍くなるため、寒気や発熱が起こることがあります。
麻酔の副作用④ 痒み
脊椎麻酔時や、硬膜外麻酔のチューブから入れる薬の副作用で、体のかゆみが強く出ることがあります。
麻酔の副作用⑤ 喉の渇き
手術の前に、唾液の分泌を少なくするために注射をすることがあります。
そのため、喉の渇く感じがします。
麻酔の副作用⑥ 術後神経麻痺
手術後しばらく手・足がしびれたり痛かったりすることがまれにあります。
また脊椎麻酔の後しびれ、痛み、麻痺などが残ることがあります。
麻酔の副作用⑦ アレルギー反応
麻酔薬や点滴などに対するアレルギー体質では、蕁麻疹や喘息の様な症状が起こることがあります。
マクドナルド(シロッカー)手術後の様子はこちら。
まとめ
- 妊娠初期の全身麻酔は避けた方が望ましい
- マクドナルド手術・シロッカー手術が行われる時期は妊娠中期が多く、下半身麻酔が使われるので、危険性は少ない
- そもそも麻酔自体、安全なもの!
というおはなしでした。
以上のことから考えて、妊娠中に歯科の診察などで局部麻酔を受ける際も、時に気にする必要は無いと思います!
妊娠中の歯の治療は大切なので気を付けてくださいね。
私も安心して? 子宮頸管縫縮術を迎えることができそうで良かったです(≧▽≦)