不妊治療を続けているうちに精神的に参ってくると、確固たる夫婦関係があるかないかで、そのダメージ度も変わってきます。
また、妊娠・出産・産後にわたって、女性はホルモンの影響で情緒不安定になりがち。
もちろん私もその例にもれずで、切迫早産で自宅安静で動けないこともあり、考える時間が山ほどあるがために不安な気持ちを持て余しています。
不安定な妻を夫はどう見ているのか?
一緒に泣いてくれるのか?
果たして乗り越えられるのか?
占いやスピリチュアルに傾倒するほど ピュアではないので、ここは先人の経験による言葉と科学的な考察から、建設的に考えてみようと思います。
ーエミール・デシャン(フランスの詩人 / 1791~1871)
今回は、「愛とは何か」「夫婦関係とは」といった抽象的かつ永遠のテーマを、著名人の名言と共に脳科学的に検証します。
目次
夫婦の悩みと結婚の問題
女は結婚するとき、男が変わることを望む。
お互いに失望することは不可避だ。
ーアインシュタイン(理論物理学者、ノーベル物理学賞受賞 / 1879~1955)
不安の発端は妊娠したこと
前回の妊婦健診の結果が悪く、そろそろ病院に舞い戻る心の準備をしつつ、もう少し自宅に居たいなーと毎日ドキドキして過ごしています。
切迫早産の症状の改善がないので、家の外に出るのは夢のまた夢ですね。。。
前回の妊婦健診の様子はこちら。
管理入院前はすっぴんで人前に出ることは皆無に近く、化粧禁止の病院は嫌で仕方なかったんですが、もはや慣れてしまって、最近は健診も車で送迎してもらえるので、ノーファンデでポイントメイクのみ。
妊娠7カ月で双子妊娠のお腹が重くて、洗面台で顔洗うのも、シャワーも、お手入れも、何もかもがどんどん適当に( ;∀;)
結婚しても女性らしくありたいと思いつつ、妊娠したことによって、そうもいってられない状況になってしまいました。
実家で自宅安静中で週末婚状態の私たちですが、自身の切迫症状に対応するのでキャパオーバーで、主人についてはほったらかしもいいとこです(´-∀-`;)
申し訳ないなあという気持ちで落ち込むことも多々で、無性に不安になることがあります。
カップルにおける諸問題は、男女で脳のつくりが違うことが起因によるところが多いですが、まずは結婚生活における認識の違いについて見ていきましょう。
男女の脳の違いにつてはこちらの記事で。
夫婦の悩み① 夫の気持ちと男心
ーレオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリアのルネサンス期の芸術家 / 1452~1519)
ーモンテーニュ(フランスの哲学者、モラリスト / 1533~1592)
男性の気持ちで、結婚後も「変わらず奇麗でいてほしい」というのはよく聞きます。
女性の意見としては、いくつになっても魅力的でいるには、心の余裕はもちろん、時間や金銭的な投資も必要なので、まずは旦那さまのご理解とご協力がほしいところですけども。。。(笑)
ま、そういう突っ込みはおいておくとして(/ω\)
30代~40代の既婚男性200名に対して「妻として“キレイでいること”より大事なことを教えてください(クリエイティブジャパン『ボイスノート』調べ」というアンケートを行った結果は以下の通りでした。
第1位:笑顔(39%)
第2位:性生活(20%)
第3位:家事(17%)
家に帰れば笑顔で迎えてくれて、おいしいご飯が待っていて、夜も満たしてくれる。
外で頑張ってくる分、男性は家庭に癒しを求めているのは確かなようです。
外見的なキレイさは若いころとずっと同じでいることは難しいですが、笑顔を心がけるなど、内面的な「キレイさ」は努力次第でより良くすることも可能なので、心がけたいものですね^^
男はつねにこれに参る。
ーメナンドロス(古代ギリシアの喜劇作家 / 紀元前342~292)
女がそのとおりにすべてをささげ、生涯をかけて献身すると、男はその重荷に苦しむ。
ーボーヴォワール(フランスの女性作家、哲学者 / 1908~1986)
夫婦の悩み② 妻の気持ちと女心
一生懸命、無理して役割を果たしているのに、女はちっともわかってくれないと心外に思っているだろうが、わたくしたちは、何もそんなことを頼んでいないのよ。
ー岡本敏子(岡本太郎の養女で実質的な妻 / 1926~2005)
愛の言葉もかけてほしい。
静寂の世界は、お墓の中で十分に味わえるのだから。
ージョージ・エリオット(英国の女性作家 / 1819~1880)
婚姻期間10年以上の男女を対象に行った「日本の夫婦の”いま”に関する調査(プラチナ・ギルド・インターナショナル調べ)」によると、自分たちを良い夫婦だと思っている人のうち、50.6%が毎年プレゼントを贈り合っていることがわかりました。
妻がもらってうれしいものは、旅行やジュエリーといった「非日常的なもの」で、「感謝の言葉が少ない」ことが夫に対する一番の不満だったそうです。
特に女性にとってはイベントに節目を感じるものなので、感謝の気持ちと共にお祝いできたら、10年以上経っても新たな気持ちで頑張れるんでしょうね(*´▽`*)
気まぐれにそうするだけでなく、しょっちゅう。
ーモンテルラン(フランスの作家、随筆家 / 1895~1972)
女性はいつまでもパートナーの「特別」でいたいのです。
このように、男女での差は明らかです(^^;
そもそも結婚というステージを選ばなくてもいい時代、決められた「枠」のなかで、いくつになっても仲のいい理想的な夫婦でいることは果たして可能なのでしょうか?
それでも「永遠の愛」に憧れる
これまで見たものの中で最も美しかったものは、腕を組んで歩く老夫婦の姿でした。
ーグレタ・ガルボ(スウェーデン出身のハリウッド女優 / 1905~1990)
日本の未婚率は上昇の一途
先月(2019/5/23)、50歳まで一度も結婚をしたことのない人の割合を示す「生涯未婚率」について、「50歳時未婚率」という名称に統一することに決定したのをご存知でしょうか。
厚生労働省の研究機関である国立社会保障・人口問題研究所が2015年に行った国勢調査によると、50歳時の未婚率は男性の約4人にひとり(23.37%)、女性の約7人にひとり(14.06%)だったそうです。
このように政府が表現を変更するほど、晩婚化が進んだこと・生涯未婚であることも、ライフスタイルの多様化のひとつとして今や珍しくありません。
しかしながら(結婚という形にこだわらないとしても)人生における「愛」はより重要であることは、様々な研究によって指摘されています。
これまでの研究では、愛を感じてない人と比較して愛を感じている人の方が幸福感が高く、また愛と幸福感は正の関係にあることが示されている。
Baumeister & Leary (1995)によると、人間は「所属したい種」であるため、所属している人と比較して、所属してない人は幸福感が低いと考えられる。
実際、男性も女性も、結婚して婚姻関係が続いている人は、一生独身の人や離婚をした人よりも幸福感が高いことが示されている(Myers & Diener, 1995)。
愛の定義とは?
アメリカの人類学者のヘレン・E・フィッシャーさんは「愛」に関する調査・研究を長年にわたってしています。
人はなぜ恋をするのか?
人類にとって、愛とはどのような役割を果たすものなのか?
日本ではあまり聞かないので、面白いですよね^^
科学的に恋や愛を検証すると、どうなるのでしょうか。
結婚に必要なのは「恋」よりも「愛」
情熱の荒々しい炎が燃えつきてしまう前に、愛着というおだやかな火をなんとか焚きつけることができた場合だけだ。
ージェローム・K・ジェローム(英国の作家 / 1859~1927)
ヘレン・E・フィッシャーさんが世界中の歴史的な文献を研究した結果、人類学的に何百万年も前から根付く「3つの基本的な “衝動” が進化していった」ことが分かったそうです。
3つの衝動
- 性衝動
- 恋(ロマンティックな愛)
- 愛(長年のパートナーに対する愛着)
性衝動とはいわゆる性欲で、特定の誰か向けられたものではなく、大袈裟に言えば(好みはあるにせよ)自分以外の異性であれば誰でも対象になり、脈絡も理由もなく訪れるものです。
そして恋や愛は性衝動よりも、大いなる喜びと悲しみを生み出す、強力な脳のシステム!らしいです。
結婚には、一定して変ることのないしっかりとした土台と、堅実にして慎重な行動が必要である。
沸き立つような歓喜は、何の役にも立たない。
ーモンテーニュ(フランスの哲学者、モラリスト / 1533~1592)
確かに古今東西、愛憎劇による歴史的な事件は事足りません。
国が潰れるほどの戦争や、歴史的建造物ができるキッカケになったり。。。
人類は「愛」によって多くを左右されて来たと言えます。
「愛」は麻薬よりも甘美なもの
それが恋というものである。
ーツルゲーネフ(ロシアの小説家 / 1818~1883)
恋人の写真を見せて脳をスキャンする実験では、恋人の写真では活性状態、普通の写真では不活性状態が見てとれ、同じ脳における変化がはっきりと示されたそうです。
さらに脳の様々な領域が活性化していることもわかりました。
なんとコカインでハイになるときに活性化する領域と、まったく同じ部分が活性化していたそうです。
しかも恋愛中は、コカインのハイの状態を上回った状況!
コカインだとハイの状態は一時的ですが、 恋愛はよくも悪くも「特定の相手に執着する心」が長い間その人を支配します。
つまり恋や愛は一連のジェットコースターのような感情だけではなく、脳を活性化させる「心情」「欲望」「切望」から来る “心の衝動” 、人を突き動かす原動力だったのです。
男に欠点が多ければ多いほど、女は何もかも許してくれる。
我々の知性さえもだ。
ーオスカー・ワイルド(アイルランドの詩人、作家、劇作家 / 1854~1900)
恋のホルモン物質
人は恋に落ちると、脳内でドーパミンを大量に分泌します
ドーパミンは恋愛ホルモンとも呼ばれ、高揚感や激しい快感と共にもたらされ、すごい勢いで人の心と身体を支配します。
身体への負担も大きく、大量に分泌されると消耗してしまうので、一定期間を過ぎるとドーパミンを抑制しようと働きます。
ドーパミンが抑制され、恋の病が終わるまでの期間は約2~3年。
ヘレン・E・フィッシャーさんは、結婚4年目の夫婦が世界的に一番離婚が多いと発表していますが、これはドーパミンが抑制され恋心が冷めたためと考えられます。
つまり、美しいからとか、善良であるとか、聡明であるとかいった理由によってではなく、彼女が彼女自身であるという理由によって愛されることを望むものだ。
ーアミエル(スイスの哲学者、詩人、批評家 / 1821~1881)
アメリカでは結婚した2組に1組、日本では3組に1組のカップルが離婚しているそうです。
ではドーパミンの分泌が少なくなっても、関係が終わらないケースがあるのは何故なのでしょう?
愛のホルモン物質
ージュベール(フランスのモラリストで随筆家 / 1754~1824)
それは2人の間に、長年のパートナーに対する「愛」が育まれている場合です。
ドーパミンの代わりに、絆ホルモン・幸福ホルモンと呼ばれるオキシトシンが、同じ時を多く過ごし、お互いを思いやることで増加していくことがわかっています。
オキシトシン受容体は、前頭前野と扁桃体にあり、そこは心に関係した脳の場所になります。
つまりセロトニンなどと一緒で、心の状態に影響を及ぼす脳内物質ともいえるわけですね(=´∀`)人(´∀`=)
素敵に光り輝く見かけだけではなく、着心地の良さという本質で選んだのだ。
ーオリヴァー・ゴールドスミス(英国の詩人、小説家、劇作家 / 1730~1774)
ドイツの神経科学の専門家、ルネ・ハーレマンさんは「オキシトシンには男女間の絆を深め、浮気を防止する効果がある」と述べています。
つまり脳に分泌されるホルモンが、恋のホルモン物質から愛のホルモン物質へ変化することが大事なんですね。
結婚生活や夫婦の悩みを一気に解決
「年をとってもこの相手と会話ができるだろうか」そのほかは年月がたてばいずれ変化することだ。
ーニーチェ(ドイツの哲学者で古典文献学者 / 1844~1900)
オキシトシンのすごい効果
そしてオキシトシンは多福感だけでなく、
- 感染症を防ぐ
- 学習意欲や記憶力の向上
- 他者への親近感、信頼感が増す
- セロトニンの分泌を促し、ストレスが消える
- 血圧の上昇を抑える
- 心臓の機能をよくする
- 長寿になる
といったような、健康や人生においてプラスになる作用も多く持っています。
逆にオキシトシンが不足していると、自分に自信も持てず、不安感や喪失感に襲われ、パートナーとの信頼関係も崩れがちになります。
では具体的にオキシトシンを増やすにはどうしたらいいかというと。。。
夫婦の愛を保つ6つの方法
- 目と目が合うこと
- 感情を表すコミュニケーション(喜怒哀楽を素直に出す、感動するetc)
- お互いに楽しい会話をすること(家族団らん、お友達とおしゃべりetc)
- 相手に親切にすること(気遣う、料理を作る、プレゼントをあげるetc)
- スキンシップ(マッサージ、手をつなぐ、ハグするetc)
- 肌と肌の触れ合い(キス、愛撫、性交渉etc)
このような方法でオキシトシンを分泌させることによって、安心感や幸福感を得られ、コミュニケーション能力も高まり、相手の望むような愛情表現が出来るようになります。
するとお互いに満足し、他者を求めるような浮気もしなくなり、パートナーとの関係もうまくいき、結果として結婚が長続きするのです。
夫婦とは思いやりとふれあい
ージョン・グレイ(米国の心理学博士、作家 / 1951~)
つまり、いつも傍にいて触れ合うことで、相手を思いやる優しい気持ちが一緒にいる期間に育っていれば、それは恋愛初期のドキドキする恋心から、より深い愛情へ自然に移れたといえるでしょう。
結婚生活の始まりが「身が焦げるような大恋愛」からでも、「尊敬や哀れみや共感といった緩やかな気持ち」からでも、結局は結婚してからのお互いの努力が一番大事ということですね!
それが結婚生活の礼儀の基本である。
ーサマセット・モーム(英国の劇作家で小説家 / 1874~1965)
愛を科学的に検証する
しかし、愛することを怖がっていたら、何も得られない。
ーバーバラ・デ・アンジェリス(米国の女性作家、心理学者 / 1951~)
3つの基本的な “衝動” が進化していった理由
- 三大欲求の性衝動が進化したのは、人を外に向かせ、広範囲にパートナーを探させるため。
- 高揚感や執着を伴う恋心が進化したのは、交配のエネルギーを一時的にひとりに集中させるため。
- やすらぎや安心感を伴う愛着が進化したのは、チームとして最低限の間、子どもを育てられるように我慢させるため。
これらの回路は人類の脳に深く埋め込まれています。
しかし現代では人とのつながりをもてない人も多くいます。
- 過去の傷から裏切られるのが怖くて踏み出せない
- プライドが高くて最初から求めない癖をつけてしまう
- コミュニケーション自体を避けて、多くを感じないようにしている
そんな身も心も「不感症」になってしまったコミュ障気味の現代人も、人類が生きながらえる限り、こういった基本的な衝動はDNAに生き続けているはず。
DNAに埋め込まれた「愛」の衝動に素直になる
ーゲーテ(ドイツの詩人、小説家、劇作家 / 1749~1832)
自分は淡白だな〜と思っている人は、愛に鈍感になっているだけかもしれません。
体が性的興奮や刺激を覚えない限り、自分がそういった原始的な “心の衝動” = 欲望を持っていることに気がつかずに長い間過ごすと、しまいには感じなくなってしまうそうです。
心の底には確かにある筈なのに、自分から強く求めるほどには大きくない。
それが普通になってしまうと、他者への介入に多くを望まなくなっていきます。
でも一度フラットになって、自分の心に素直になると、実は自身が愛情への欲望を持っていること、人との繋がりを求めていることを思い出すでしょう。
そのことに気がついたらまず、隣にいるパートナーとキチンと向き合うこと。
熟年離婚にならない為には、これがはじめの一歩かもしれません。
ージョン・レノン(英国のミュージシャン、ビートルズのリーダー / 1940~1980)
まとめ
- 男女で求めることは違うが、DNAに刻まれた基本衝動(性欲・恋心・愛着)は同じ!
- 恋のドーパミンから愛のオキシトシンにホルモンが移行するのは、ふれあいとコミュニケーションが大事
- 先人の愛の名言は読んでて感銘を受けるものが多いですね
というおはなしでした。
妊娠してからの体の変化が凄まじく、人間ってホルモンに支配されてる!と身をもって感じていました(^^;
人類の歴史や、何百人を対象にしたアンケートや脳スキャンなどの研究で、愛や結婚もホルモンの変化などで科学的に検証されているんですね。
個人的には、とっても面白かったです!
そして著名人の名言は、e恋愛名言集を参照しました。
まだまだたくさんあるので、ぴったりの言葉を探してみてくださいね。
三十代の恋は浮気である。
人は四十歳に達して、初めて真のプラトニックな恋愛を知る。
ーゲーテ(ドイツの詩人、小説家、劇作家 / 1749~1832)
人生は長いので、夫婦関係も息の長ーい愛を目指したいものです。